被写界深度

2006年6月25日 (日)

カメラで写真を撮るとき、ピントが合っているように見える領域のことを被写界深度といいます。

実際の写真

上の写真では、ピントはおよそ0 cmとその少し前後あたりに合っていることが分かります。理想的なレンズでは厳密な意味でピントが合っている場所はある一つの平面上にしかありません。つまり、定規の「0」という部分にしかピントが合わないということになります。しかしながら上の写真のように、実際にはその前後にも十分に像を結んでいるように見える範囲があり、その範囲のことを被写界深度と呼んでいます。

被写界深度の図

上の図は、左側の赤い点の光がレンズを通して像を結ぶ様子を示したものです。「ピントが合っている」ことを、赤い点光源からの光がフィルム(CCD)平面上において一番強く収束する条件とします。フィルムを前後に動かすと光の収束度が弱まり、一点に収束せずにある程度の範囲に散らばる結果、像はぼやけます。このある程度の範囲のことを錯乱円といいます。この錯乱円の大きさがフィルムに塗布された感光性物質の粒子やCCDの画素ピッチよりも小さい場合、得られた画像からは厳密に一点に収束している点と錯乱円を区別することはできません。つまりどちらもピントがあっているとみなせるわけで、そのような最大の大きさを持つ錯乱円のことを許容錯乱円とよびます。

実際におおざっぱに計算してみます。私の上の写真を撮影したデジタルカメラの撮像素子は1/1.8型CCD、約410万画素であるそうなので、その画素ピッチはおよそ3 μm。したがって、許容錯乱円の直径は3 μm(0.003 mm)程度ということになります。

A 定規とレンズの距離 50 mm
B B = F*A/(A-F) 2.966 mm
C 許容距離(B:D = C:0.003 → C = 0.003*B/D) 0.0035 mm
D 光束の直径(D = f/F) 2.6 mm
F 絞り値 2.8
f 焦点距離 7.4 mm

Cが0.0035 mm、Bが2.966 mmなので、Bの範囲は2.9625〜2.9695 mm。したがって、ピントの合ってみえる距離Aの範囲は49.1〜51.0 mm、被写界深度はおよそ2 mmとなります。被写界深度は焦点距離が短いほど、絞りを絞り込むほど、遠距離の被写体にピントを合わせるほど、大きく(深く)なります。

接写時にもう少し被写界深度が深くできるデジタルカメラがほしい。

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