太陽や月、星といった天体は時刻によって位置を変えますが、こうした天体が水平線(地平線)上にあるときを「天体の出没」とよびます。

星は地球から見たときの大きさが十分小さいため、星が水平線上に出た瞬間の時刻を出没の時刻としています。しかし、太陽と月は見かけの大きさがかなり大きい(天球上に占める角度で0.5°程度)ため、どの時点で出没とするかで時刻が大きく変わってきます。
そこで、太陽の出没の時刻は「太陽の上端が水平線と重なった瞬間」、つまり「太陽が顔を出した瞬間」を日の出、「太陽が完全に隠れた瞬間」を日の入りとしています。一方、月は毎日形が変わってしまうので「中心が水平線上にあるとき」を出没としています。
春分や秋分の日は、太陽が真東から昇って真西に沈みます。そのため、昼間と夜間の長さが同じになるように思われますが、日の出・日の入り時刻から計算すると、昼の長さが約12時間8分となります。したがって、春分や秋分の日の昼間と夜間の長さは同じではなく、16分程度異なるのです。
昼間が約12時間8分と8分間長くなる原因として、次のようなことが考えられます。
| 原因 |
理由 |
角度のずれと遅延時間 |
| 出没の定義によるもの |
太陽の「中心」が地上に出ている時間は12時間ですが、太陽の中心と上端の角度分があるので、日の出と日の入りを合わせて0.5°の角度分のずれが起こります。 |
0.5° → +2分 |
| 大気差によるもの |
地球は大気に覆われているために、太陽からの光は大気によって屈折され、「大気差」とよばれる太陽が実際の高度よりも高い位置に浮き上がって見える現象が生じます。地平線近くでは約0.6°浮き上がって見えるため、この分長く太陽が見えることになります。 |
0.6°×2 → +4.8分 |
| 眼高差によるもの |
太陽の出没時刻を計算する際に、視点の高さをどのくらいにしたかによる変化。視点が高い方が水平線の向こうを覗き込むことになるので、太陽の見えている時間が長くなります。海上保安庁では眼高4.7mを想定しているようです。 |
0.06°×2 → +0.5分 |
| 誤差によるもの |
大気差などの不確定な値を用いることと、秒単位の精度は確保出来ないことによる四捨五入など。 |
±δ |
これらを合わせると長くなる時間は約7.3分(±δ)。なかなか近い。