メリュジーヌの遺産 Pt.3


Montanha Canigo
 フランスでロマネスク聖堂をみるため最初に訪れたのはポアトゥー・サントンジュ地方でそこは妖精メリュジーヌの伝説が至る所にのこされた地域であった。そのポアトゥー地方から遠く離れ、スペインとの国境をつくるカニグー山(標高2766m)もメリュジーヌと関係の深い伝説を持つ。メリュジーヌはエリナス王と妖精プレジーヌの間に生まれた三姉妹の末娘であったが、この三姉妹は母親を裏切った父エリナス王に復讐したため母親(酷い仕打ちを受けたにもかかわらずそれでも愛していた)から罰を与えられた。復讐の首謀者メリュジーヌは土曜日だけ下半身を蛇に変身、二番目の姉メリオールはアルメニアでハイタカの番、そして長姉のパレスティーヌはこのカニグー山でエリナス王の財宝を一生守らなければならなくなった。
 パレスティーヌがこの罰から開放されるのは誰かがこの財宝を手に入れる時で、カニグー山の財宝を手に入れることをできるのはメリュジーヌの血を引く者のみである。『メリュジーヌ伝説』によると多くの優れた騎士が宝を手に入れようと挑戦したが条件を満たさないため全て失敗し、誰一人戻ってこなかったという。山に向かう騎士たちはおそらくサン・マルタン修道院に立ち寄り、神の加護を祈ったに違いない。メリュジーヌの子であるジョフロワ(有資格者)はこの話を聞き是非宝を手に入れようと出発しようとするが間際になって病気のため亡くなり果たせなかったと『メリュジーヌ伝説』は伝える。実在したリュジニャン一族と呼ばれるメリュジーヌの末裔は既に絶え、パレスティーヌは今もカニグー山のどこかで託す者なき財宝を守り続けている。