■タイ焼き物語
★旅のデータ
期間 :1998年11月9日(月)〜13日(金)
行き先 :タイ王国/プーケット島
宿泊施設:タボン・ビーチ・ビレッジ
交通手段:タイ航空(往路は直行便/復路はバンコク乗り継ぎ)
メンバー:私、妻(妊娠7ヶ月)
☆子供が生まれる前にせいぜい遊んでおこうという魂胆の、今だから言える秘密旅行。
何かアクシデントがあると批難の嵐を浴びそうなので、計画は慎重かつ大胆に。
◆プロローグ
今回は妻が妊娠7ヶ月のため、諸方面には内緒でプーケットに出かけた。手配代理店はHISなので、いつもの旅行屋さんにも内密である。ノースウェストを使って帰りにバンコクに寄るプランもあったが、予約が遅れたため満席で、タイ航空を利用することに。当初ホテルはパンシー湾の「シェディ」(チェディ)をリクエストしたが、第2希望の「タボン」になってしまった。
●11月8日(日)−−前泊
14時30分ごろ帰宅し、ホットケーキを食す。15時過ぎに自宅を出発し、環7経由で首都高湾岸線へ。目指すは前泊のリーガロイヤルホテル成田だ。たまたま5周年記念キャンペーンを実施中のため、1名5千円という破格のプライスで予約をしている。道路は空いていて、1時間半ほどでチェックインができた。
しばし休息の後、7時より最上階のシャンボールにて夕食。ここでも5周年記念価格のコースをやっていたが、それはやめにしてアラカルトを選んだ。私はエスカルゴ、妻はサーモンというオードブルで、コンソメスープの後、メインは鴨とビーフという選択。もちろん、ワインはシュタインベルガーである。飛行機が発着する滑走路の夜景を見ながら、2時間ほどかけて夕食を済ませた。
翌朝は早いので、シャワーを浴びて早々に就寝。
●11月9日(月)−−第1日目
朝は6時に起床。あたふたとチェックアウトを済まし、7時2分のシャトルバスに乗り、7時20分には第2ターミナルに着いてしまった。受付は7時45分とのことだったが、カウンターが開いていて良かった。と思いきや、セキュリティチェックも出国審査も開いていない。朝食を取ろうにも開いているレストランは少ない。セルフサービスの軽食コーナーでラーメンを食べて、サテライトのオープンを待つ。
免税店でタバコを購入し、ゲート前に到着したのは8時15分ごろ。搭乗開始まで1時間ほどあるので、コーラを飲みながらボンヤリと過ごした。ゲートではタイ航空の「タイ焼き」キャンペーンとかで、クーラーバッグと空気枕を各2個Get。
飛行機はエアバスA330の新品で、シートも内装も真新しい。座席はエコノミーの2列目の右窓側で、シートピッチはマズマズのようだ。座席は半分くらいは空いており、定刻の9時45分には出発した。昼食は通常の「Fish
or Beef?」という選択。映画は何と3本立てで、1本目はレスリー・ニールセン主演のコメディ。タイトルは忘れたが、殺人の濡れ衣を晴らして国連総長を救う話だった。2本目はブルース・ウィリス主演のアクションで、地球に接近する巨大隕石を爆破する話。これには字幕も吹き替えも無かった。3本目はニコラス・ケイジ主演のサスペンス。ボクシングの試合中の防衛長官の暗殺事件の話だった。到着前には和菓子が出て、約8時間の飛行の後、現地時間で15時半頃にプーケット空港に到着。
両替えは成田で済ませてある。同じピックアップのバンに乗るのは、機内で前の列に居た赤ん坊連れの夫婦で(とても静かな赤ちゃんだった)、ラグーナ・ビーチ・クラブに宿泊とのこと。どちらもプーケットは2回目ということで、ガイドさんはあまりアレコレ言わなかった。30分ほどでタボン・ビーチ・ビレッジに到着。
我々のビラは崖の上にあり、ケーブルカーのようなエレベーターで移動する。なかなか広々とした部屋で、調度品も落ち着いている。パトン湾が一望できる広いテラスには、デッキチェアーとテーブルの置かれたカセボがあり、そのうえオープンエアーのジャグジーまで付いている。それとは別にバスルームがあり、シャワー付きのバスタブと更にシャワーブースも備えている。第2希望にしては良いホテルを選んだかもしれない。ウェルカムフルーツを食べていると、空は夕焼けになってきた。惜しいかな、日没の方角が見えない立地だ。
夕食を取るレストランは3軒あるので、どこに行くか迷っていると、ゲストリレーションの女性が案内しながら説明してくれた。先刻からあいにくの雨模様だったが屋外のシーフードを選択。シンハ・ビールを注文し、ロブスター、蟹、イカなどを焼いてもらう。
部屋に戻り、せっかくだからとテラスのジャグジーに給湯。しかし、ようやく湯がたまるころには、小降りだった雨は土砂降りに変っていた。それでも入っていると、雨水で湯温は下がり、バス・フォームの泡も消えてゆく。耐えかねて室内のシャワーブースに退散。少し間抜けな1日の終りであった。
●11月10日(火)−−第2日目
午前7時に起床。ビュッフェの朝食を済ませて8時半にフロントへ。バンで港へ向かう。いくつかのビーチを眺めながら30分弱の行程だ。港で待つ間、ガイドさんは食パンを手配している。ランチかと思いきや魚の餌とのこと。
程なくスピードボートに乗ってコーラル島に出発。波も無く天気も上々で、15分くらいで島のバナナ・ビーチに上陸した。木陰のデッキチェアーに陣取ると、早速、魚の餌付けを開始。朝一番の魚達は空腹のようで、群がる様はピラニアのようだ。若い日本人女性3人組がキャーキャー騒いでいる。主としてスズメダイとベラの仲間が多い。水温は軽く30度以上ありそうだ。
10時からは私だけダイビングへ。十数名の体験ダイビングの一団を尻目に、新婚夫婦の夫(ブランクダイバー)&妻(体験ダイビング)という3名のチームで、ビーチ右側よりエントリー。新婚妻は最初だけ戸惑っていたが問題は無さそう。このポイントは1995年2月に私が初めて体験ダイビングをやった場所だ。透明度は7〜8メートルくらいで、プランクトンが多く大物の魚は居ない。サンゴは枝サンゴが中心で、かなり痛んでいるようだ。途中、新婚夫のタンクが背中からずれてしまい、ガイド氏に代わって私が新婚妻をホールドすることになった。不安なのか強く腕を掴むので体が回転しそうになる。そこで新婚妻のタンクのバルブ持つようにしたら、位置と深度が安定する体勢になった。最大水深6メートル、平均3.5メートル程度で、20分ほど潜ってエクジット。新婚夫と午後のボートダイブを約して別れる。
昼食までは時間があるので、先ほど潜ったコース付近へ妻をシュノーケリングで案内する。ツノダシなども見ることができた。
昼食はタイ料理。メニューは、チャーハン、トムヤンクン、エビのから揚げ、白身魚の天ぷら、温野菜、カニのカレー風煮、煮魚。温野菜や炒めものとウマ煮の中間のような感じで美味。煮魚はスズキの仲間と思われ、魚の形の鋳物の器に入っており、炭火で保温されている。味は醤油(ナンプラー)味であっさり目。私がチャーハンをたくさん食べている間に、妻はトムヤンクンをおかわりしている。普通の日本人には辛くてそんなに食べられないと、ガイドさんが妙に感心していた。
食後は2本目のダイビング。ビーチの右側の岩場までロングテールボートボートで向かう。午前中よりも透明度は落ちるが、ソフトコーラルが少々と、ハタタテダイ、ヨスジフエダイ、ゴマモンガラなど、熱帯の常連さんたちも見ることができた。47分間ひたすらフィンキックをしていたので、いささか足が疲れた。ガイド氏は途中で足がつっていた模様。船にあがってみると、ビーチ左側の岩場まで来ていた。ログブックにサインすると、ダイビングショップは閉店し、ロングテールボートで本島に引き揚げて行った。食パンの残りを始末していると、今度はヤガラが現れた。
3時少し前に撤収し、本島の港へ戻る。そこには蒸したトウモロコシや乾しイカの屋台が出ている。次はバンに乗りプーケットタウンへ。例によって「ノルマ」の免税店に案内される。韓国からの団体さんは革製品や宝石類に熱中しているが、それを横目に木彫りのリンゴ型の小物入れを購入(500円弱)。次はスーパーに行きたいと言ったのだが、ノルマが残っているらしく、Tシャツ屋に案内される。購入する気も無く店内を見ていると、テレビでアニメの「一休さん」をやっている。ほかに「ちびマル子ちゃん」も人気だそうだ。何か買えば早く店を脱出できそうなので、奥のコーナーにあったミネラルウォーターと唐辛子を購入したら、ようやくスーパーに案内された。最初はトムヤンクンのコンソメやビールなどを見ていたが、妻はビジョンの哺乳瓶が安いと言って驚き、その他にもベビー用靴下なども選んでいる。家で切れかかっている胡椒や封筒なども選び、のど飴とアイスも買ってみた。会計は280バーツだから千円くらいか。隣の果物屋ではマンゴスチンは季節ではないとのことで、マンゴーと謎の果物を購入。見た目は新ジャガに似ているが、葡萄のように房に実っている。17バーツで安い!と思ったら、70バーツとのことで、少しぼられたかもしれない。アイスを食べながらホテルに戻る。
山の方には雲が出てきているので、今日は食事の前にジャグジーを使うことにした。空気の調整バルブの使い方を発見し、バスフォームの泡立ちが良くなったと喜んでいたのもつかのま、早くも雨が降り始めた。どんどん雨は強烈になっていき、昨日よりもスゴイことになってきた。それでもビールを飲みながら入っていると、15分ほどで小降りになってきた。まさにスコールという感じ。思わずクールファイブを歌ってしまう。♪あ〜あ〜ジャグジーは今日も雨だった♪
夕食はホテル内のタイ王宮料理オールド・サイアム。まずはエビのツクネのから揚げと鶏の香草揚げ。次は私だけココナッツミルクのチキンスープ。でも、これは失敗。味は悪くないのだが、ヘビーでもたれる上に量が多かった。メインはグリーンカレーとレッドカレーを食べた。味は良いのだが非常に辛い!!!
●11月11日(水)−−第3日目
今日のピックアップは10時なので余裕の朝。バンでタイ・ビレッジ(江戸村みたいなところ)に向かう。途中、パトン湾には豪華客船が停泊しているのが見えた。ガイドさんによればシンガポールから来た船らしい。プーケット・タウンの近くにあるタイビレッジには、20分ほどで到着してしまった。
ショーの開演まで時間があるので、中庭を囲むように円形に配置された土産物屋を見てまわる。免税店と違って熱心な勧誘は皆無。商売っ気がてんで無いのは助かるけど、置き物などは蜘蛛の巣とホコリが目立つ。ここではトカゲのぬいぐるみが付いた小児用Tシャツを購入。余った時間はフルーツ・カービングの実演を見たり、ガイドさんと話したりして過ごす。開演が間近になると、客船の乗客(西洋人が中心)がバス2台で現れた。続いて台湾人とおぼしき一団も現れる。日本人は我々だけのようだ。
ショーは半円形の劇場で、タイ北部の踊り、北東部の踊り、バンコクの踊り、南部の踊り、ムエタイ、古武道、結婚パレードなど約1時間。その後は屋外で象のショーがあった。丸太の牽引や鼻を使った芸、サッカーやダンスなどの後、希望者は背中に乗ることができる。妻はとっても乗りたかったようだし、調教師にも誘われたが、大きな腹を示して辞退。すかさず私を指差し「ヒー・ライド」とのたまう。象は意外に毛深くて柔らかい。歩く度に肩甲骨が動くので不安定でもある。私の乗った象はやや暴走ぎみで、客席の屋根の下に入り込んだときには、西洋人から「Watch
your head ! 」と声が飛ぶ。その後は何を思ったのかサッカーゴールの方に突進し、結果的に場内を一巡して元の場所に戻った。長く乗れたのはラッキーだったのか…?
昼食はタウンに場所を移しての「タイ・スキ」タイ風すき焼きは「コカ」という店が有名だが、地元の勤め人が多く利用する店に案内された。こちらの方が安くて旨いらしい。タイスキはすき焼きよりもしゃぶしゃぶに近いと聞いていたが、実体は鍋物のようだ。まず沸騰しただし汁?に卵を溶き、シーフードや野菜などを入れる。火が通ったら、甘辛いタレに付けて食べる。タレには好みで唐辛子やにんにくを加えても良い。SeeWeedというツクネの海苔巻きが美味しかった。最後に残った汁に御飯を入れて雑炊を作る。これは麺でも良いらしい。
ガイドさんは、「他に行きたいところはないか?」とか「夜のパトンを案内しようか?」などとすすめるが、「屋台のラーメンを食べたい」というと、商売はあきらめて、ラーメンの種類と食べ方を講議してくれた。タイの食事、辛いもの何でもOKという我々に、ガイドさんは嬉しそうであったが、半分は呆れていた様子。
部屋に戻るとまだ晴れていて、雨を降らすような雲の気配も無い。そこで明るいうちからジャグジーに入ることにした。今度は大成功。パトン湾には豪華客船という景色も良い。少し日焼けしそうなのは難点だが。
夜はパトンビーチに出かける。無料のシャトルバスは時間が合わないので、トゥクトゥクの利用も考えたが、少し楽をしてホテルのリムジンを選択した。6時にパトンに向かい、8時に拾ってもらうという算段。価格は片道200バーツで7〜800円といったところか。車種は中ぐらいのサイズのメルセデス・ベンツ。5キロほどの行程の後、カバナホテルの前で下車。
露店やなどを見ながら街をプラプラする。最初に地元民向けの食堂を発見するが、とりあえずチェックのみで通過。あるいているうちに雨が降ってきた。屋台街で何軒かラーメンを扱う店があったが、観光客目当ての客引きが鼻に付くのでパス。悩んでいるうちにどんどん雨がひどくなってきたので、道路の反対側にあった食堂に飛び込む。「ツー・ヌードル・スープ」「ツー・コーク」まわりはほとんどタイ人の地元民のようで、偶然の割には良い選択だったかもしれない。出てきたラーメンには鶏肉、ニラ、モヤシなどの他に、「さつま揚げ」のようなものも入っている。雨が小降りになるのを待つうちに、となりのテーブルを見ていると、女性が焼そばに生のニラやモヤシなどの野菜を混ぜている。見渡せばいくつかのテーブルには、そういったトッピング用の野菜が小鉢に取り揃えられている。ラーメンの食べ方は教わったが、焼そばの食べ方のナゾが新たな課題となった。ラーメンは30バーツ(110円くらい)で、コーラは10バーツ(35円くらい)なので、しめて80バーツ(300円くらい)である。400バーツのベンツで30バーツのラーメンを食うのも妙なもの。
小雨になったので散策を続行。スーパーに入ったら、インスタントラーメンの売り場で、2組の日本人に遭遇。土産物用の買い出しだろうか。我々はアップルパイとミートパイを購入。続く町並みは怪し気なバーが軒を並べている。プラプラ歩くうちにカバナホテルの前に戻った。約束の8時には7、8分あったので、15分かそこいらは待つ覚悟でいたところ、5分前にはベンツが登場。帰路に高台を通ると、パトン湾に浮かぶ豪華客船のイルミネーションが美しい。部屋からも見えたが、この夜景を「写ルンです」で残すのは不可能だった。
●11月12日(木)−−第4日目
今日は何もしない日。ゆっくりと起きて朝食を済ませ、プールサイドのマッサージを予約。1時間のマッサージの後は、ビーチのデッキチェアーで寝転んだり、貝殻や石などを拾って過ごし、使っていなかったウェルカムドリンクの券でフルーツジュースを飲み、昼食はウェットバーで本格窯焼きピザ。その後はビーチの右側にある磯を探索。夕刻前に部屋に戻って、ジャグジーでオイルと塩を落とした。
荷物をあらかた片付けた後は、ルームサービスでも取ろうかとも思ったが、メニューがそそらないので、再び王宮料理のオールドサイアムへ。エビのつくねに椎茸を組み合わせて亀の姿にしたあんかけと、麺を巻き付けて揚げたエビ。2度目のトムヤンクンはシェアして適量。最後は牛肉と野菜の炒め煮のようなものと、白い焼そば(ビーフン?)を頼んだ。ここで焼そばのナゾが解けた。トッピング用に出されるニラやモヤシは、生でも臭くないので食べられるのだ。麺が油を吸っていてくどいので、生野菜を多く混ぜると食べやすい。それにしても隣のテーブルの西洋人カップルは、いつまでも席に居て熱々ぶりを発揮し続けている。さっさと部屋に行けばいいのに。
●11月13日(金)−−第5日目・最終日
朝5時起床、5時45分ピックアップ。外はまだ暗い。空港に到着したのは6時半ごろ。出国審査をした後、ホテルが用意していた朝食を食べる。飛行機は8時発のエアバスA300の初期型。さすがに古くささは否めない。さきほど朝食を食べたばかりなのに、妻は軽食に手を出している。私はジュースのみで睡眠モード。約1時間ほどでバンコクに到着。
1時間半くらいあるので、とりあえず免税店を見てまわる。民芸品売り場では、象に乗れなかった無念が残る妻の主張で、精巧な木彫りの象の置き物を購入した。110バーツで「安い!」と驚いていたら、110ドルであった。高い!でも、なかなか良いモノなのでいいか…。その他に子供向けにトカゲのぬいぐるみを購入。中にビーズが入っているようで、私の小豆の枕ににている手触りが面白い。やることもないのでゲート前に行き、しばらく椅子でウトウト。
出発は定刻の11時20分より少し遅れて12時少し前となった。飛行機は最新鋭のボーイング777で、2機の巨大なロールスロイス製エンジンを備え、座席配列はジャンボと同じ3・4・3だ。中央列の座席だったが、離陸直前に隣のカップルが空いている窓際に移動したのはラッキーだった。昼食が早めに出たので、あとは2座ずつ使ってひたすら眠る。映画は往路と同じニコラス・ケイジ主演作品1本だった模様。約6時間の飛行の後、19時ごろに成田に到着。
入国審査は素早くすんだが、税関で前に並んだあんちゃんが引っ掛かっていた。どうもタバコを3箱持っていたらしい。隣の列に移動した我々は問題なし。毎度のごとく中を見もしなかった。少し腹が空いていたので、車を置いたホテルでの軽食も考慮したが、やめにしてそのまま出発。東関東道の酒々井パーキングに寄ることにした。私がタコ焼きを頼むと、妻は何を思ったのか、タイ焼きを食べている。ひょっとしてタイだから?
折中 良樹