うんざりLiveレポート

Live当日のうんざりをご紹介します!

99年8月14日
音泉祭 ゲスト出演
at 妙高高原池ノ平温泉

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8/14、この日の妙高高原池ノ平温泉は未明からつづく大雨で、空は雨雲に埋め尽くされていました。

「中止か?」「楽器は大丈夫か?」「大体お客さんは来るのか?」そんな不安が頭をよぎる中、昼過ぎより準備を始め、本番に備えました。

池ノ平温泉は美しい木々と山々に囲まれた、自然の中にある温泉町です。
温泉町と言っても、熱海や草津のように観光化されてなく、スキー場としての方が名声が高いのではと思います。宿泊させていただいた渡辺さん(池ノ平温泉観光協会、うんざりのお世話をしてくださいました)の経営する「本館めぼうき」はスキーロッジで山の中腹にあり、玄関の右にはすぐリフト!山肌は一面緑で、短い夏を精一杯楽しむように草木が茂ってました。やはり冬場の方がかきいれ時だそうです。

国の自然保護区域に指定されているために、屋根の色まで制約があるこの町は自分の足で本当の自然に触れることの出来る町です。この町に住む皆さんに今回は出逢う時間がなかったのが残念ですが、渡辺さんや、祭のスタッフの皆さんの様子は、とても気さくで自然と共生している強さとおおらかさのようなものを感じました。また、そういうところに来る観光客の皆さんも、避暑地として、自然に触れる場所としていらっしゃっているのでしょう。バカンスを楽しむというよりゆったりと流れる時間を贅沢に楽しみにいらしているようでした。

ステージは1時間弱。野外でお客さんに聴いていただくには少し長めです。しかも渡辺さんからは、「客寄せのために20分前くらいから音を出しはじめて欲しい」といわれていたので、うんざりをはじめて聴くお客さん、しかも地元の人や観光客という中で、雨の中1時間半に渡りステージをまかせられるのはとても不安でした。
うんざりのステージは(特に野外の場合は)お客さんと一緒にたのしむ、体を動かして汗と疲労感を楽しむステージです。みなさんがどんな風に受け止めてくれるんだろうか?

サウンドチェックも終わり、いつのまにか日が沈んであたりは闇とガスに包まれてきました。出店の方も準備が済んだようです。そろそろ行きましょうか!

広々とした広場には出店の方とうんざりしかおらず、美しい芝生は水たまりの中にどんどん沈んでいく中、メンバー全員気持ちを高めて音を出しました。
5月以来、立て続けにステージを踏んでいる新生うんざり。この悪条件のなかでもお客さんに喜んでもらうための努力と精神力を着実に身につけていました。メンバーもSSMも実にたのもしかった!去年のうんざりなら大雨でお客ゼロのステージ、きっとガックリ来てしまって自分たちから悪い方向へ転げ落ちていたでしょうが、今このステージにいる仲間は同じ人たちには見えないほど、素敵な光を放つようになっていました。

サウンドチェックのつもりでアドリブ回しや、即興演奏の時点で、みなさんステージの前に少しずつ集まり出しました。足下は水浸しで涼しいと言うよりは冷たいなか、僕らの演奏を優しい大事な目で見つめてくれました。こうなったらこっちもどんどんボルテージ上がってきます。いつから本プロだったかわからないままに次から次へと演奏していきました。お客の反応はまっすぐで、うんざりもそれを素直に受け止めることが出来たので、用意した曲順をオイラの独断で差し替えたり、曲中の段取りを曲が始まってから変更したりして、「今」妙高の皆さんと共有しているこの時間を精一杯素敵なものになるように、楽しみました。

「Children Kiss」では、雨の中一生懸命聴いてくださったお客さんをステージにあげて、一緒に演奏しました。子供達ばかり上がってくると予想(少なくとも東京だとそうなります)していたのに、おじさんおばさん兄ちゃん姉ちゃん児童幼児乳児まで、最初は照れながらも気がつくと20人以上の方がうんざりと一緒に演奏してくれました。

最初は照れくさそうにしてますが、めずらしい楽器を手にして、楽しそうに演奏してくれました。
うんざりのステージを半分乗っ取ってしまった少年!何曲も同じテンションで踊りまくる彼はもう誰にも止められませんでした。(お母さん(?)はステージ下であきらめ顔でした。)
たくさんの皆さんがステージに上がってくれました。初めてであった皆さんとうんざりの曲を通して通じ合えるのはこのうえない喜びです!

PAの石井君がこのステージのために東京から来てくれてます。彼はけいこちゃんの高校時代の後輩だそうで、今はPAのプロとして活動してます。石井君はステージ中ずっと走り回りながらサウンドバランスを整えたり、雨に打たれながらお客さんの一番後ろで出音をチェックしたりしてくれました。
ちゆきはうんざりのもり立て役として、脇でパーカッションをならしながら踊ってくれてます。曲によって前に出たり、引っ込んだり、絶妙の塩加減。
亜依ちゃんは雨の中聴いてくださっているお客さんの中を楽器片手に走り回って、お客さんと一緒に踊ってくれました。体が冷えるのも省みず、お客さんに尽くす姿は感謝を通り越して感動でした。
キクはSSMというよりメンバーとしてステージにいてくれました。オイラはそう思ってました。

うんざりメンバーはたった4人だけど、こんなに素晴らしい仲間と、こんなに素晴らしいお客さん、こんなに美味しい空気とこんなに気持ちいい大雨のステージ。アンコールのココナッツまで思いっきりうんざりサウンドを妙高山のみまもる池ノ平に響かせました。ステージが終わると花火が雨の空を切って打ち上がり、僕らとお客さんを祝福してくれました。

決して大成功ではないし、無事に終わったとはいえないステージでした。でも僕らが背負ったハンディキャップは集まったお客さん一人一人がすこしずつ分け合って、結果そこには太くて優しい絆が僕らを結びつけてくれたようでした。
楽器片づけになっても一番激しく踊ってくれた子供達はステージに残ってくれました。渡辺さんも素敵な笑顔で僕らを迎えてくれました。僕らと一緒に悪条件を乗り切った楽器達も誇らしげに輝いていました。

音楽をしていてよかった。自分たちの音楽を信じていてよかった。こんな名前のユニットを迎えてくれた池ノ平温泉観光協会の皆さん、当日集まってくださったお客さん、うんざりを続けていたからこその出会いに大きな感動と、一つ成し遂げた達成感に心を遊ばせたまま、静かな夜が戻ってきました。


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