懺悔室 その27
 



DVDプレーヤーDM-500
9950円(税抜き)

  すまん。またDVDプレーヤーを買ってしまった。>誰にあやまっているんだ?

 プレステ2を皮切りに買いはじめたDVDプレーヤーだが、これまでに購入してきたDVDソフトの再生可能なハードを合計すると、今回のプレーヤーで5台目である。プレステ2、国内メーカーの純正プレーヤー、DVD-ROMドライブ搭載のPowerBookG4、リージョンコードフリーの再生機と買い足してきて、これまでに自宅と事務所の双方で環境をととのえてきた。そして今回の輸入品の再生機が5台目である。

 明かすことはできないが、わたしはとあるペンネームでAV系(オーディオ&ヴィジュアルのほう。念のため)のテクニカルライターの仕事もしている。その際、輸入盤DVDソフトの動作チェックなどのさいにいくつもの再生環境を確保しておく必要があり(という口実で)、次々と新しいハードを購入してきたのだ。ここ2年のあいだに劇的にハードの店頭価格が下がってきたからこそ、ここまでできた。

 プレステ2、国内メーカーの純正プレーヤー、PowerBookG4までは、それなりに説得力のある増えかただ(どこが?)。機能的な重複はあるものの、それぞれの用途別に存在意義がある。そこであえてリージョンコードフリーの再生機に手を出したのには、理由がある。
 海外で発売されたDVDソフトを視聴したい。やっぱり、その1点に集約されるね。秋葉原の輸入ソフト専門店で、気になるソフトをいくつも発見してしまったのだ。それも、日本国内でDVDソフト化されていない邦画の数々。一番の牽引役は、黒澤明監督の『七人の侍』だね。最近になってようやく日本国内でもソフト化されたが、ほんの1年前にはまだソフト化の噂すら、わたしのもとには聞こえてこなかった。そんなソフトがすでに海外ではソフト化されている。さすが黒澤監督。となれば、観てみたいじゃないか。所有しておきたいじゃないか。人が持っていないものをゲットして自慢したいじゃないか。
 ところが、海外版のソフトであるからして、ヨーロッパ版がリージョンコード2(日本と同じ)でもカラー信号がPAL方式だったり、アメリカ版がリージョンコード1で国産メーカーのハードでは再生不能だったり。ああ、日本の文化が日本市場をないがしろにする不当なあつかいを受けている。
 PowerBookG4のDVD-ROMは、海外のリージョンコードのソフトも再生できるようになっている。しかし、そのつどコード設定を変更する必要があるうえ、コード変更は5回までしかできない。5回変更した時点で固定されてしまうのだ。へたに海外コードで固定されてしまったら、わたしの所蔵する大半の国内版DVDソフトを再生できなくなってしまう。これは、現実的ではない。つか、とんでもない。
 しかし、そこで我慢できないのがわたしである。再生不能なら、可能な状況を確保してしまえばいい。いわば、近道がなかったら道そのものをつくってしまおうという発想ね。相手がホトトギスなら、鳴くまで待ったり殺してしまったりはしない。鳴かせてしまう、豊臣秀吉的な姿勢である。それが、リージョンコードフリーの再生機を入手するということなのだ。
 となれば、市場調査でしょ。店頭調査でしょ。さっそくネットの通販サイトをチェックすると、およそ6〜13万円までの、いわゆるマニア価格でハードが流通していた。ぐは。高すぎである。
 というわけで、多種多様なおたくとマニアが渾然一体となってイーレムと化しているカオス都市秋葉原で、実物のコードフリー器を探してみた。こっちのほうが過当競争の地であるから、こなれた価格の再生機を購入できるかもしれないと考えたのだ。
 しかしここで、わたしは人生最大の試練にぶち当たった。

 コードフリーの再生機って、家電店で売ってるのか!?

 ふとわれに返って冷静に過去を振り返ってみると、そういう便利な機械、噂に聞くことはあっても、見たことがない。実際に秋葉原の家電店を意識して見てまわっても、コードフリーなどという謳い文句の再生機はひとつも陳列されていない。さすがに輸入ソフト専門店では数点のプレーヤーが陳列されていたが、マニア価格だし違法改造されていてメーカーサポートを受けられないし。初期不良体質のわたしがメーカーサポートを断念するなんてとんでもない話だ。速攻却下である。
 なら、どうするか。
 ここでわたしは閃いた。

 免税店に行ってみよう。

 免税店とは、海外からきた旅行者が一部商品の税金を免除されるお店という以上に、旅行者が自国に持ち帰って活用できる商品をあつかっている場所である。ことに秋葉原の家電店では国内流通しているハードよりもいまいちなものが多い印象があって普段は見むきもしないのだが、こういうときは別。免税店でDVDプレーヤーがあつかわれているのなら、どの国に持ち帰っても使用できる仕様でなければ用をなさない。つまりそれはリージョンコードフリーを意味する。
 その瞬間、わたしの人生最大の試練はあっけなく瓦解した。これだ! そう思った。
 かくして突撃した1件目の免税店であっけなくリージョンコードフリーのDVD再生機を発見し、交渉の末に28000円という激安価格でゲットしてしまった。機種は、SANYOのDVD-7201。リージョンコードが完全フリーのうえ、NTSCとPALのカラー信号を交互にコンバートして任意の信号で出力できちゃう超優れものである。なんだかなあ。いままで思い悩んでいたのが本当にあほらしい。それに、国内の別メーカーからあまりにリージョンガードが甘いという理由で圧力を受け、現在店頭に出回っている市場在庫までで生産打ちきりが決定しているという。もう、速攻で買いでしょ。リモコンのボタンレイアウトが悪くてちょっと操作しづらいが、そんなもの、リージョンコードがフリーになるメリットの前では、落ちている1円玉を拾わずに素通りしてしまうくらいの小さな問題である。
 な〜んて具合に肩から力が抜けすぎてしまったのがまずかったのだろうか。
 購入からちょうど1年たったばかりという最近になって、いきなりガタがきた。再生途中に音声と画像がしゃっくりする。画像が静止し、音声がスキップする。横で映画ソフトを再生して環境ビデオにしながら仕事の原稿を書いていると、不意に音が途切れてモニターにふり返ったら再生プレイを蹴つまずいたプレイヤーがぎっこんばったんと読み取りポイントを再サーチしていたりする。どうやら、信号読み取り用の光学レンズの動きがスムーズでないらしい。そんな異音がする。
 この症状、とくにソフトを2〜3本、連続再生させたときに顕著に現われる。なにせ、1日10時間くらい動かしてたもんなぁ。もともと業務用のハードじゃないんだから過酷に使ったらすぐに弱音を吐いたからといって非難される筋合いではないだろう。でも、一度不審な挙動があったら、家電製品としてはもう寿命が近いと考えてまちがいない。ぐへ。まるでソニー製品のように、保証期間が切れたばかりでの故障というのが痛いぞ。

 とはいえ、この1年のあいだにわたしはPowerBookG4を何度でもリージョンコード設定変え放題のフリー機に改造することに成功してしまっていたので、海外版のソフトを完全に封印してしまう状況にまでは追いこまれていない。でも、PowerBookでDVDを再生中はほかの作業を並行して行なおうとすると、動作がすこぶる遅くなる。そりゃそうだ。なにせ動画をフルフレームで処理してるんだから。となると、完全に仕事に差し障りまくりである。やっぱり、DVDの再生環境は別体のプレーヤーで確保したい。
 というわけで、わたしはふたたびリージョンフリー機の物色をはじめた。

 念ずれば通ず。求めよ、されば与えられん。いろんな格言を体現するように、わたしはいきなり超格安のDVDプレーヤーに行き当たってしまった。それが、今回の目玉であるDMTECHのDVDプレーヤー『DM-500』である。
 見つけたのは、某通販サイト。ここでは、事情があるのでくわしくは触れない。興味のある方は、自力で見つけてほしい。そのサイトでなんと、DM-500が9950円という価格で販売されていたのだ。わお。家電店で格安で販売されているプレーヤーよりも安いじゃん。それだけで、リージョンコードが2に限定されているマシンであってもお買い得だと思ったのだが、なんと魔法のコマンドを入力するとあっという間にリージョンコードフリーになってしまうという優れものなのである。もちろん、この魔法のコマンドもここでは秘密(つか、公然の秘密かな)。そして、カラー信号のNTSCとPALまで出力切り替えが可能。万能である。

 ちなみに、このDMTECHというメーカー、国内のメーカーじゃないことだけはたしかだ。ではどの国なのかというと、オフィシャルサイトらしきものは見つけたのだが、ぜんぜん文字が判読できず、はっきりいってどの国だかさっぱりわからない。誰かわかったら教えてね(^^;

 で、そんな正体不明の国から送りつけられてくるプレーヤー、わたしは勢いあまって2台も購入しちゃったよ。自宅用と事務所用。それでも総額が先代のフリー機1台よりもお安い。
 リモコンボタンのレイアウトもなかなかよくて、使い勝手はボチボチだ。それに、とってもキッチュなスクリーンセーバー機能まで内蔵されている。

 ただ、ちょっとした難がある。スロー再生の操作方法がいまだにわからないのだ。なんと、それに該当するボタンがリモコンに見当たらないのである。
 これだけはご愛敬であるな。

 と思っていたら、たったいま、スロー再生の方法がわかった。『STEP/SLOW』というボタンを1度押してから早送り(もしくは逆再生)ボタンを押すというあわせ技だったのだ。これはちょっと不意を突かれた(^^;



追記

 このDMTECHというメーカーの所在がわからないことでわたしはずっと尻の座りの悪い思いをしてきていたのだが、本サイト読者のヤベさんが、日本国内の正規代理店らしき企業Dynaconnectiveのサイトを教えてくださった。すごいぜヤベさん。よくぞお見つけなさった。おお、DMTECHのもろもろの製品がラインナップされてるじゃんか。そしてついでに、そのサイトから得られたヒントをもとに、DMTECHがどこの国の企業であるかもすんなりと判明してしまった。韓国である。正式名称はD.M.Technology Co., Ltd. なんの意味もなく東南アジア系の国を予想していただけに、これはちょっと意外であった。あらためてご紹介させていただくとともに、これまでリンクを貼っていた意味不明のDMTECHの正体があやふやなままなので、削除させていただく。

 重ね重ね、貴重な情報を提供してくださったヤベさんに感謝の意を表しておく。
 
 
 
 

Dynaconnective
D.M.Technology Co., Ltd.