Home
|
Description (Japanese)
|
Description (English)
|
White Light iBook (J)
|
White Light iBook (E)
|
Blue Light iBook (J)
|
MacFan 8月15日号に記事が掲載されたので、記念に日本語の製作記事を公開します。申し訳ありませんが、現在のところ、このページの記述も写真とのリンクも未完成です(2003.07.31)
光るiBook (The Illuminated iBook)の製作方法
始めに
キーボードを光らせた改造iBookの製作について公表します。
私は愛機iBookを職場と家庭でフルに使っています。時には子供の寝静まった夜中〜明け方に暗い中で使うのですが、手前のトラックパッドに手を置き、ネットサーフィンしながら時々キーを打つため、手を正しい位置に置いてブラインドタッチするときに比べると、どうしても打ち間違いが増えます。
そこに今年(平成15年)の1月、衝撃的な17インチPowerBookG4が発表され、キーボードに照明が装備されました。これだ、買い換えを!と考えた直後に私のiBookの液晶バックライトがすねて断線しました。買い換えようにも17インチの販売は始まっていません。そこで、昨年にユーザー会HMUG(homepage2.nifty.com/hmug)の例会で、こだわりさんの田中光信氏が講義されたたiBook分解方法を参考にしながら自分で修理しました(写真00〜03)。私はAppleIIの頃から色々な増設ボードを作る趣味があり、ハンダゴテを握るとわくわくします。
そんな時にiBookのキーボードを光らせるアイディアが湧きました。最初にiBookに合わせた白色バージョン、次に青色バージョンを製作し、私の.macホームページ、平成15年3月に開催されたアップル社の北海道ユーザーグループ懇親会、4月のHMUG例会、及び5月のiWeekで順次披露いたしました。
製作の当初は液晶バックライトから光を引いてくる方法を考えました。これなら消費電力ゼロです。しかし、ヒンジの構造から実現困難と考え構想を練り直しました。17インチPowerBookG4では200本以上と大量の光ファイバーが使われていますが、設計の異るiBookにはキーボードの下にはこれを敷くスペースがありません。しかも、キートップを押し下げるとキーボード基板との間に隙間は無くなります。キートップ同士の0.5mmの隙間は使えそうですが、しかし、キーボード自体には、表にも裏にもLED(表面実装以外の)等の部品を搭載する場所の余裕がありません。
しかし、2度も断線し悩まされたおかげで、液晶の電源ケーブルのコネクターがキーボードを外した中央部にある事がわかりました(写真04)。そして、その周辺にはいくつかの空間があり、中でもAirMacカードの横5 X 10 X 60 mm程のスペースは、5mm径のLEDが数個は置ける充分な空間です。そこから光ファイバーをキーボードの脇を経由してキートップの間に通すことができるのではないか、と思いつきました。光ファイバーには太さがあるのでキートップの下に置くことが出来ず、裏から文字を直接光らせる事はできません。しかし、普通はキーボードを見るのは手前の上方からですから、キーボード奥の光ファイバーはキートップを透過して全体をぼんやりと光らせる事になります。
明るさも重要ですが、消費電力との兼ね合いもあり、光源はなんとかLED一つでまかないたいと考えました。よく観察すると、LEDの発光部分=光源は点ではなく小さな平面であって、細い光ファイバー1本を光らせるには役不足です。そこで高輝度のLEDを探し、光ファイバー5本をそこに接着して、LED一つで光を供給する方法を考えました。LEDは秋月電子(akizukidenshi.com)のサイトで一番明るい10CD(カンデラ)の超高輝度白色発光ダイオード(LED)が見つかり、光るキーボードのアイディアがこれで固まりました。EL(エレクトロルミネッセンス)を使った外部キーボードが日本のセンチュリーから市販され、海外でもキット販売されていますが、明るさはともかく、消費電力の点では20〜30mAで済むLED1個のほうが有利です。キータッチの低下は基本的にありませんが、光ファイバーの取り回しによって、左又は右端のキーが若干浮くかも知れません。それでもタッチの違いはわからない程度です。
材料と道具
主な部品リストは次の通りです。
iBook (Dual USB) 500MHz、おそらくこれ以降のiBookならば可能。
プラスチック光ファイバーエスカ、三菱レイヨン製、直径0.5mm(東急ハンズ札幌店)。ガラスファイバーは不可。(写真06右)
超高輝度白色LED, OptoSupply製OSWT511A, 直径5mm, 200円(秋月電子通販)または超高輝度青色LED(日亜化学工業NSPB500S、NSPB346BS)他。(写真07)
高透明度エポキシ接着剤エクセルエポ、セメダイン社。高透明度が必要かは不明。瞬間接着剤は白濁するので不可。(写真06左)
透明テープ(3Mスコッチ 313)、粘着力が強ければなんでも良い。白でも良い。
ビニールテープ、何でも良い。
ビニローゼ(大日本塗料製ビニル樹脂塗料)、白色。傷を気にしなければ無くても良い。アクリル塗料でも良い。光ファイバーを溶かさないもの。
トランジスター2SC1815、39Ωと1KΩの小型抵抗器、小さな基板、リード線、ハンダ、その他。
工具は、小型ハンダゴテと小型ハンドリューター、先の細いピンセット、エアダスター、はさみ、ニッパーが必須。ピンセットはキーボードにテープで光ファイバーを固定する作業に重要。私は先端の尖った金属性のものを使いました。
製作方法
電気系と光学系に分けて説明します。
電気系の製作
LEDの電源は、液晶バックライト回路に向かうコネクターから5Vと0V(GND)、そしてバックライド輝度調節信号を取り出します(写真05)。コネクターの位置は、キーボードとAirMacカード、その下の金属カバーを外すと見えます。メモリーカードの横です。ここの黒、茶色、オレンジ色の線がそれぞれ0V、5V、輝度調節信号なので、コネクターの脇からそっとリード線を差し込む形で信号を取り出しますと、本体に改造の痕跡を残しません。差し込んだリード線が抜けないようにするには、リード線を結んで抜け止めを作るか、上からビニールテープで押さえておいて、金属カバーをかぶせれば良いでしょう。
リード線を金属カバーの隙間からAirMacカードの横に出し、そこに電流制限抵抗1本を置くか(写真09)、小さな基板上に制御回路を組みます(写真09.01)。この回路は0〜3.6Vの間で変化する輝度調節信号を増幅して、最大30mAの電流をLEDに供給し(図09.02)、液晶に連動してキーボードの輝度を変えるために使います。LEDによって、必要な電流制限抵抗(R2)が変わります。抵抗とLEDは直列につながっているので、抵抗の両端の電圧を測り、それを抵抗値で割るとLEDに流れる電流が算出できます。LEDは光ファイバーと接着してしまうので、制御回路との間に簡単なコネクターを介し、付け外しできるようにした方が作業が楽でしょう。
5V、輝度調節信号から取り出せる電流量は調べていませんが、後者から多く電流をとると液晶が暗くなります。筐体や上記の金属カバーは接地されており、電気的に0Vなので、改造中にショートさせないよう気をつけてください。基板上の部品は基本的に寝かせ、トランジスター(表面実装型でない場合)は基板の端から外に出して少しでも厚みを減らすようにします。最後に表裏にビニールテープを貼りフチ同士を張り合わせればショート対策はばっちりです。LEDから直接明かりが漏れないよう、アルミ箔か何かでカバーします。5mm径の適当なチューブを使うのも良いでしょう。
光学系の製作
光ファイバーを50-60センチ位の長さで5本とるところから始めます。エスカは50センチずつ切断済のものと100m巻の2種類があります。100m巻のファイバーには丸まる癖が付いているため、50cmのものが使いやすいかもしれませんが、製作には3mもあれば足り、たくさん出る余り光ファイバーの使い道、使い勝手を考えると、100m巻が他への応用が効くかもしれません。
エスカの説明冊子によると断端はホットナイフを使うと断端が平滑になって良いそうですが、はさみやカッターでも明るさは変わりませんでしたし、逆にパフで磨いても向上しませんでした。後でエポキシ接着剤で接着するので傷が穴埋めされるのかもしれません。それでも、傷や異物ができるだけ無いようにします。光ファイバーの構造は2種類の屈折率の異るプラスチックだそうですが、断端は均質です。予め5本のファイバー同士を接着して長さも揃えておくと、LEDとの接着が楽かもしれません。
次はLEDの加工です(写真08)。LEDの先端は丸く、これがレンズの働きをして光に指向性を持たせるのですが、今回は光ファイバー5本に出来るだけ光を集中したいので、レンズを通さず、光源に直接光ファイバーを接着します。つまり、LEDの先端から直径約1.5ミリの穴を開けて内部の光源に当たる部分ギリギリまで削り、穴の底をある程度平坦にして、そこにファイバーを設置します(写真10)。LEDの透明部分はプラスチックなので簡単に削れますが、リューターが中の電極に触れると壊れますし、逆に光源からわずかに距離を置くだけでも光は拡散するので、コンマ数ミリ以下まで近づけます。底を平らにしないと、光ファイバー間に明るさの差が出てしまいますし、光のロスも増えます。失敗を見越して予備のLEDが必要でしょう。穴の削りかすはエアダスター等で綺麗に吹き飛ばしておきます。
接着は10分硬化型のエポキシ接着剤を用い、LEDと光ファイバーの軸を平行に保ちながら、かつ、通電し各ファイバーの光り方に差がないことを確認しながら行うのがベストです(写真11 ,12)。4本の光ファイバーであれば、原理的に光量を同じに出来るはずですが、5本の場合は中央に位置する光ファイバーが出来てしまうので、1本だけ明るくなることがあります。明るいファイバーが出来てしまった場合は、後でリューターで削るときに、削り方である程度カバーできますが、逆に暗すぎる場合はカバーできないので、接着時に充分気をつけます。失敗したら、光ファイバーをLEDの近くで切断し、LEDの穴の中をリューターで郭清してから差し込めば何度でもやり直しがききます。100m巻の光ファイバーは巻き癖がついているせいで若干調整が面倒ですが、長さを余計にとれるため、気兼ねなく失敗を繰り返す事が出来ます。接着前に穴の底を磨いて光のロスを極力減らしたいところですが、苦労の割に効果は少ないかも知れません。それよりも実はLEDの明るさの個体差が大きいかもしれません。LEDにはできるだけ光量の多いものを選び、それを最大定格電流ギリギリで光らせるのが明るいキーボードへの道です。目立たせることを考えるならば、光り方をフラッシュにしてしまえば、定格の3倍くらい流せるLEDがあります。iWeek2003にはそのようにして青白を非同期にフラッシュさせたものを出品しました。
改造作業の一番の難所は、光ファイバーの引き回しでしょう。光ファイバーは、光をその内側で反射させて、光漏れや減衰を防いでいます。急な曲げや傷があると、そこから光が漏れ出すので、これらをどう避けるかが課題と言えます。
そこで、次の様に配置しました(写真13)。LEDはAirMacカード横の隙間の中央部に置きます。奥側には調光回路、手前には光ファイバーが延びます。LEDから出た光ファイバーは、半径1〜2センチくらいの曲率で直角に曲がり、キーボードの端を目指しますが(日本語キーボードの場合は左に、USキーボードは左右どちらでも良い)、曲げる際に出来るだけ大きな半径にします。説明冊子にはドライヤーを使って曲げる方法が紹介されていますが、それが光の損失の点で有利なのかどうかはわかりません。今回の改造では、あえてドライヤーで曲げなくとも良さそうです。
難しいのは、キーボードの縁にあたる部分です。ここでは光ファイバーを180度曲げなければいけません。筐体との間で摩擦も生じ、傷つきやすい部分です。傷や光のロスを防ぐために、この部分の光ファイバーにメッキ塗料を塗る事を試しましたが、効果はありそうでも被膜が柔らかく、非常に剥げやすいです。エナメル塗料はメッキの上から塗っても単独で塗っても作業中にこすられるだけで被膜が剥げてしまいます。
塗料に悩んでいたとき、東急ハンズの店頭でビニローゼ塗料を見つけたので使ってみました。透明がなかったので白色を選びました。この被膜は強力です。取り付けに先立って、光ファイバーの取り回し中に傷つきそうな部分、即ち、キーボード脇の隙間から光ファイバーを表面に出す彎曲部分にビニローゼを2度塗りして被覆をしておきます。キーボード基板側も薄い透明テープでカバーします。こうすると、キーボード基板のアルミを削らずとも、隙間に光ファイバーを通すことが出来るのです。彎曲させるファイバーの曲線はできるだけ緩くしますが、例え0.5ミリ径の細いファイバーでも重なると厚みが倍になるので、引き回しに気をつけ、極力重なりを避け、かつ曲がりが急にならないように配置します。ドライヤーで癖をつけるより一本一本テープで固定しながら位置決めをするのが良いでしょう。
キーボード表面に光ファイバーを出すのですから、出た先のおさまりも考えなければなりません。構造上、どう工夫しても、一番端のキートップの四隅のひとつは光ファイバーの上に乗ってしまいます。その部分を出来るだけ小さくし、キータッチへの影響を減らします。この作業は非常に苦労するので、光ファイバーをキーボードの表裏にテープで留めながら配置してゆきます(写真14)。 光ファイバーがキーボード表面に出たら、そこから反対の端まで横に先端を延ばします。日本語キーボードは大きなリターンキーがあるために、必ずキーボードの左から右にファイバーを走らせる必要がありますが、英語キーは左右どちらでも可能です。先端はキーボードの端に置いても良いですし、一番最後のキーボードの真上に置いても良いでしょう。
キートップの中間をたわむことなく端まで光ファイバーを敷ければ良いのですが、この時はキートップを外して作業するためにキートップの中間がわかりません。ですから多少緩めにテープで貼っておいて、あとからキートップを取り付けるときに位置を調整します。最終的にはエポキシボンドで固定するのが良いでしょう。しかし、光ファイバーの上にちょっとキートップが乗るだけでタッチが悪くなります。端のキーのキートップは四隅の一つだけがファイバーに乗ったとしても、軸が傾きながらフルストロークが打てますが、それ以外のほとんどの場所では、ファイバーがずれるとキートップの一辺全体が光ファイバーに乗る事になり、キーが最下まで押せなかったり、ファイバーをかすってパチンという異音がしたりするからです。従って、固定する前に充分な試運転と調整が必要でしょう。私は未だに仮固定のままです。
最後の難所は光ファイバーを削る作業です。最初は光ファイバーの終点だけが光っていて、ファイバーの側面からは光が漏れてきません。ここに傷をつけると光ります。全体を紙ヤスリでこすれば光ファイバーは綺麗に光りますが、キーボードが光るようには見えませんし、全体に暗くなります。各キートップ中心の奥に当たる部分だけをピンポイントで光らせることで、各キーに光のアクセントを置くことが出来ますし、光量を均一にする調整もしやすくなります。
傷が深いとその下流の光が弱くなります。ですから、作業はファイバーの下流から上流に向けて少しずつ削り(写真15)、1列終えては同じ列を再度削り増しして、光の量が均等になる用に調整します(写真16, 17)。結果的には下流に行くほど深く削る事になります。ハンドリューターという機械(ACアダプター式、千円〜数千円位)の先端に小さな球形のヤスリがついたビットをつけて削ると良いでしょう。ここで削りすぎると、そのファイバーは捨てなければならず、新しい光ファイバーをLEDに接着するところからやり直しです。
私は最初、リターンキーやスペースキー等、よく使うキーを強く光らせるようにしたのですが、これはただの光りムラに見えるので、他のキーと同じにしたほうが良いでしょう。また、最下列はキーの数が少ないので、各キーの明るさは他の列より増します。あまり明るすぎるようなら、塗料を塗ったり不透明なテープを貼ることで明るさを下げることもできます。
これで完成(写真18, 19, 20)。LEDの色は選べるので、白色LEDでつくるとこうなります(写真21, 22, 23, 24)。私はiBookには白の方が好みですが、写真では白色光が良く写らないので青色LEDを用いました。
作業はiBookにキーボードをつなげたままでも出来ますが、予備のキーボードがあれば、そちらで行う方が良いでしょう。というのは、必要な電力は、適当な5VのACアダプターで足りるので、iBook本体は必ずしも必要無いのです。私はテストにはUSBハブの5Vアダプターを使いました。特にリューターの操作など削りかすが沢山出る作業は本体の上では行わないほうが良いし、調光回路のテストも本体につなぐ前に行うべきでしょう。iBookの内部を壊してしまったら泣くに泣けません。
液晶と連動する調光回路は暫定的なものです。アップルの回路は自動的に周囲の明るさに合わせるそうですが、キーボードが明るすぎて困る場合というのはあまり無く、せいぜい暗い中でDVDを鑑賞する時くらいかなと思います。ですから、一番明るくして固定するのもアリでしょう。超高輝度LEDの絶対最大定格電流は25-30mAのものが多いようですが、実際に白色や青色のLEDでは30mA流すと必要以上に明るいので、10-20mA程度で充分かもしれません。
消費電力が気になるなら、もっと複雑な調光回路をつけても良いでしょう。ただし、その回路自体の消費電力も計算する必要があります。主に長時間アウトドアで使うとか、移動中に使う方は、バッテリーの持ちを出来るだけ延ばしたい人は、調光回路からリードを延ばし、小さなマグネットスイッチをトップカバー裏につけておいて、小さな磁石をつけ外してオンオフする方法が良いかも知れません。機械スイッチなので消費電力ゼロです。ただ、最大輝度で点灯してもせいぜい5V30mAで150mWですから、ハードディスクや液晶バックライトに比べると消費電力はわずかです。さらに調光回路で最小にすると約7mA、35mWまで下げることができました。これならば、バッテリーに付属の緑色のLEDやスリープランプとと変わらないレベルではないかと思います。しかも、スリープ中は消灯するし、省電力設定でバックライトの電源オフを選んでおけばLEDも同時に切れるのですから、バッテリーの持ちについては私はあまり心配していません。むしろ、古くなったiBookバッテリーを捨てて新しいバッテリーを買うのが、一番有効な対策と思います。
|