「愛は決して描けない」



ヴィム・ヴェンダース監督作品『ミリオンダラー・ホテル』(2000年)よりエロイーズ(ミラ・ジョヴォヴィッチ)と彼女に想いを寄せるトムトム(ジェレミー・デイヴィス)の会話から。
エロイーズに「なぜ私のことを好きになったの?」と訊かれてトムトムがその答えの代わりに、死んだ友人に教わった詩を暗唱する。

 愛は決して描けない
 木を描くようには...
 海や自然の神秘を描くようには...
 それは僕らの瞳
 それは聖人の中の罪人
 それは絵の内側にある光

ミリオンダラー・ホテル。それは普通の人生から落後した人たちが住まうところ。そこで発生した飛び降り自殺がじつは殺人ではないかとの疑いが浮上し、捜査がおよぶことになり..
刑事物かと思うでしょうが、そうではありません。ヴェンダース作品らしく、不思議な雰囲気の映画(映画前半の階段踊り場でのトムトムとエロイーズの身のこなしがタンゴっぽくって印象的)。
この作品、なんとU2のボノ(難民救済などに熱心な人ですよね?)が原案だそうです。

トムトム役のジェレミー・デイヴィスをどこかで見たことがあると思ったら、『プライベート・ライアン』でした。ちょっと情けない(意気地のない)兵隊さん役で出てました。
また、FBI特別捜査官役でメル・ギブソンが出演しています。なんかこういうのヴェンダース監督のパターンなのですかね? "いかにもハリウッドスター"を登場させて、最初は違和感を感じさせていたのに、いつのまにか映画の中にとけ込ませている。
ミラ・ジョヴォヴィッチも「賢者の石」(注: 言わずもがなですが、『フィフス・エレメント』のことです)のときよりマシな演技をしていたと思います(笑)。


Posted: 月 - 4 月 3, 2006 at 12:01 午前