090321色の民俗学



090321色の民俗学、「柳田国夫と折口信夫」谷川健一、池田弥三郎著 1994年岩波書店より

池田 それが民俗学の現在の苦悶になっているんじゃないですか。柳田国夫の枠の中でだけやってきたことが。ただ、柳田国夫が健在のときに、直系の人が色の民俗学なんてことをいったら、やはり忌避されたと思いますが。

谷川 そうでしょう。なんてバカなことをやるんだ、ということでね。

池田 折口信夫の場合、学校の教師をしていましたから、得なんですね。学生が興味を持てば拒否できませんからね。色に関して言えば、「黒」の問題は「かぐろき」などという言葉の解釈から問題にしています。「青」でいえば、青毛の馬といえば黒だし、青馬節会といえば白というように、大変あいまいなものですから、色の名前について各地でどんな色を思い浮かべるかなどというのは、大事な問題だろうと思います。

谷川 沖縄では黄色いタオルがあるとき、老婆が「そのオールのタオルをとってくれ」というんですね。向こうでは青のことをオールという。つまり黄色の呼称がなく、黄色も青の呼称に含まれると、常見純一さんがいっています。仲松弥秀さんのいう「青の島」も同じです。これは祖霊の集まる島だというんです。民族に依って色の関心も違いますし、土地によっても違う。まあ、これは民俗学の領域のひとつの例ですが。p92

<関連>
「青と白の幻想」谷川健一著(谷川健一著作集2民族学篇Ⅱ) 1984年三一書房刊


Posted:2009年03月21日 (土)at14:53