シンガポールの大晦日


シンガポールは多民族の国で、祝日には中華系、イスラム系、インド系などそれぞれの民族や習慣、そして宗教のものが反映されています。しかし、シンガポールを牛耳っているのはやっぱり中華系。その中でも最大の休日は旧正月になり、国中が帰省ラッシュや海外旅行シーズンなどなど大変です。

今年の旧正月は2月の5日です。正月に入ってしまうとそこら中の店が閉まってしまいますが、「年末」は街中が物凄い賑わいです。そこで、最高潮の大晦日に中華街を取材してきました。

何しろ凄い人出ですから、車で行くと停める所がありません。そこで、愛車の1号機、XR-BAJAと言うバイクで出掛けました。やっぱり凄い賑わいで、中華街の近くにバイクを停めて歩き出すと、早速ミカンの木が大量に売られていました。

ミカンが何をそんなに重要なのか。正月にこたつに入ってミカンばっかりたべるのは日本人ですが、特に西日本ではしめ飾りにミカンを付ける習慣がありますね。私の生まれ育った大阪では、車にもしめ飾りを付ける習慣があり、当然そこにもミカンが付いていました。ですから、正月の3日頃になると道路にミカンが落ちていることが良くありました。


話はさらにそれますが・・・

これはウチの近所にある植木屋の先週日曜の様子です。私はポトスを家に置いているのですが、南国なので物凄い成長ぶりなんです。株分けしてもドンドン増えていってしまうので、よくここへ土や鉢を買いに来るのですが、普段の土日なら客が2〜3組しかいません。

それが先週は路上駐車で大渋滞を引き起こしていました。それほどまでに、正月前にミカンの木を買い求めることは、中華系の人には重要なことなのでしょう。実がたわわになるので、めでたいのでしょうね。他にも、正月前に込むのは散髪屋や洗車場です。これまた大渋滞。正月前に綺麗になって置かねばならないようです。


はい、話を大晦日の中華街に戻しましょう。

シンガポールの中華街って、英語でもChina Townと呼ばれていますが、普段は思ったほど「中華」っぽくないし、人手も大してありません。横浜とか神戸の方が(ちょっと白々しいけど)よっぽど中華街らしいくて賑わっています。

それがどうでしょう、この有様です。

色々な屋台が沢山出ていて、もう物凄い人!今年は龍年でもあり、龍が空を駆け巡っています(格好いい)。背負っていったデイパックがジャマに感じるほどに、人混みが凄くて、なかなか前に進めません。食べ物の臭い、マイクを使う店の人の掛け声は大音量、鼻にも耳にも騒々しい・・・。


屋台の様子

一番人気があるのがこれです。ビーフジャーキーのポーク版なのですが、同じ様な店が沢山出ていて投げ売り状態。みんな大量に買っていきます。人気のある店の前には列が出来るほどでした。ソーセージ状の物や、ビーフジャーキーと同じように板状になっている物など、形も色々あります。

しめ飾りの話をしましたが、赤と金で彩られた様々な飾りがあって、みんな真剣に選んでいます。ミカンの木と同じように正月には欠かせないアイテムのようです。なるほどウチの近所の家もドアの前にはみんなミカンに木やこうした飾り物が出ています。こういう飾りにはめでたい言葉が色々と書いてあるのですが、お金に関する言葉が多いのが中華系の習慣の特徴です。


恭喜發財

これは「ごん・しー・ふぁー・つぁい」と読み、最も一般的な正月の挨拶です。「恭喜」は「おめでとう」、英語の「コングラッチュレーション」で、結婚式など他のおめでたいときにも使います。正月には会うと誰もが、「ごん・しー、ごん・しー」と言いながら、香港の映画で見かけるように右手を「ぐー」にして左手でそれを包み、顔の前で2〜3度祈るようなポーズをします。

「發財」は読んで字のごとく「儲かる」、英語の「メイク・マネー」にあたり、正月から「儲かりますように」とでも言い合うわけです。なるほど、どんな異国の地でも成功する華僑の凄さはここから来ているのですね。恐るべし。信じられるのはやっぱりカネだけです・・・。


まだまだ続きます