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余丁町散人(橋本尚幸)
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2003.4.13


イラク問題でのフランスの豹変ぶり(節操の無さ)は格好が悪い。フィリップ・セガン(元大臣)はそれをきつく批判して、やる以上は最後までやれと主張しています。正論です。今こそフランスは国連改革を提案すべきだと言うのは面白い。日本も常任理事国になる、また敵国条項を憲章から削除するチャンスかも知れない。

Logique jusqu'au bout par Philippe Séguin (2003.4.12)

ロジックは最後まで

イラクの嘆かしい出来事は疑いなくフランス人に複雑な矛盾する感情を引き起こしている。熱情を持ってみんなで一致して訴えてきた後であるだけに、世論は今や本当に不快感を感じて消沈している。これは緊急に解消しなければならない。

みんな見た通り、烈しい議論が続いてそれが敵対関係にまでにまでに高まった時に、突然ラジオが止まったようにそれが中断された。フランスの首相が「大西洋族」の人たちを前に米英軍の軍事介入が成功した以上それは正統性を持つというような意味の発言をしてみんなの拍手を受けたのだ。意外な発言であるが、国民の中に高まるパラノイヤ的な反米感情を沈静化させようとする目的は良いものの、世界情勢がこれだけ根本的に変わってしまった中ではなんの意味もない発言であった。

少なくとも全然理解できない。フランスが主張してきた立場は最初から、第一の優先順位として、国連の権威が貫徹される事であり、第二のものとして、いかなる行為も立証された事実に基づいて為されるべきものだという事で、このことには議論の余地はなかった。だから一番大事な事というのは、簡単であり同時に大きなものなのであるが、究極の超大国が常に好き放題をやろうとする新しい世界秩序の中で多国間システムの権威を徐々に高めていこうということなのだ。別の言葉で言えば新しい世界秩序というものは世界中の国民が一緒になって作るべきもので、一番お金を持っている国とか一番軍事力を持っている国が単独で作るものではないと言う事なのである。

私が2月13日のルモンドのこのコラムに書いたように、私はこの観点から一番の最悪のシナリオは安保理の承認なしに武力介入が為される事であり、これは今述べた目的の実現を非常に遠ざけるものであるからだ。一番重要な事と二義的な意味しか持たない事を混同してはいけないわけで、私はその時国連の二番目の決議の投票ではむしろ棄権をした方がよいとまで言った。

恐れていた最悪の事態となった。安保理は明確に武力介入を認めなかったにも拘わらず合同軍は国際社会の意志を無視する決定をした。覆水盆に返らずである。

拒否権を使うなどとは言わないで、フランスの上空をB52が飛ぶのは許さないとか公式に言う事でよかった。でも言ってしまった事は仕方がない。今や、一番最初から決めていて変えていないところの、一番大切な中心的な目的を達成するためには何をするべきかを考えるのが一層重要になっている。

この観点から見れば、今政府がやっているイラク復興に国連をかませようとする努力はまったく間違った路線である。これは米英合同軍に対してへりくだり慎み深く彼等の許可を願い出る事になるからだ。ブッシュ氏は、そうか国連はNGOのようなものだ、サイズはでかいが「国境なき医師団」とかのNGOと一緒にテーブルについて貰えばいいと考えるだろう。これが正義と法を云々する国際機関の扱われ方であろうか。

今頃になってゲームに戻るというようなやり方では、お金やおいしい契約が目的だと思われても仕方がない。もちろんお金も契約も取れないだろう。へりくだってもなんの意味もない。失望し信用を無くすだけだ。

結局、起こってしまった事を無いものとするのは問題外なのである。われわれはシラクと会談の後にスイス連邦の大統領が語った言葉にもっと注意を払うべきであった。イラク復興の議論に参加する事は受け入れられなかった事実に対する事後承認に他ならないのである。こういうこというと「リアルポリティック」に背を向けた事となるのか? そうは思わない。現実主義とは原則を固く守ることであることが多い。

ただ、今や我々自身のロジックを一貫性のあるものとするには遅すぎるかも知れない。実現する見込みはなかったにせよ、安保理では米英軍の行動に対して非難したり遺憾であるとするのではない単なる懸念を決議するように提案していたらよかった。今や遅すぎるが、しかし完全に手遅れと言う事でもない。もし我々が必要とされている国連の改革を検討しようという提案をパッケージで出す事が出来れば見込みが出てくる。今がちょうどいいタイミングである。イラク問題など外の事は放っておけばいい。今日の原告は明日も原告とは限らない(明日は明日の風が吹く)。

もちろんこれは我々が来たるべき国際社会のあり方について提案すべき知恵を持っているという事が前提である。その場合、米国との長期間にわたる確執は覚悟しなければならない。我々の考え方は彼等のものとは異なるからだ。でも大げさに演出してはいけない。そんな事で過去は修復できないし、ニューヨークとノルマンディーをつないでいた相互信頼関係と友好関係を損なうだけである。

一言で言えば、何をやりたいのかはっきりさせる事である。やりたい事をはっきりさせて、それを述べ説明することである。さもないと今回引き起こしたみっともない事がなんのためにやったのかわからなくなる。アンドレ・マルローはよくぞ言ったが、ルビコン川を前にして釣り糸を垂れて魚を釣ってはいけない。私の知る限りにおいてはルビコン川に魚がたくさんいたためしはない。

Philippe Séguin

・ ARTICLE PARU DANS L'EDITION DU 12.04.03










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