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余丁町散人(橋本尚幸)
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2003.3.7


「未来の歩兵」と題するとても面白い記事がありました。いくら飛行機やミサイルが進歩しても戦争を最終的に決するのは歩兵。歩兵の戦い方については、人間の本質に関するものであり、実に奥深い議論があります。散人も科学の進歩が歩兵やサラリーマンのチームワークのあり方に影響を及ぼすとの仮説を立てていましたが、この記事はそれを裏付けるものであります。散人がむかし書いた「21世紀型チームワーク」と企業理念 (1997/12)も読んでね。

でもとても悲しいことは、最新の科学技術の進歩があっても兵隊の仕事は決して楽にはならないと言うことです。「兵隊に楽をさせるためではない」とエライ人がいっている。戦後の技術進歩もおなじ。主婦は電気釜のおかげでたいへん楽することが可能になりましたが、お父さんの仕事はITの進歩で逆にきつくなっている。不条理です。


Soldats du futur (2003.3.6)
未来の兵隊


2004年から米国の歩兵は電子器具で装備され、従来からの陸上戦闘方法を大きく変えることになる。

遠くからM4ライフルと迷彩服にクブラー製のヘルメットと防弾チョッキを付けたこの「ランド・ワリアー」と呼ばれる新型陸上戦闘員達の訓練を見ると、普通の米国歩兵と何ら変わらないようにみえる。しかし、近づいてよく見るとびっくりするほどの違いである。銃には三つの長くて黒いチューブがネジ止めされている。左側には300メートル先の物体を拡大してみることが出来るズームカメラが取り付けてある。遊底には熱により人間やエンジンを夜でも霧の中でも粉塵の中でも探知できる熱探知装置。弾倉の近くには2キロ先まで正確に距離を測ることが出来るレーザー装置。これらの映像はすべてヘルメットの前にぶらぶらさせて取り付けてある2.5センチのミニスクリーンに表示されるので兵隊は自分の目のところにそれを持ってきてみることが出来る。

さらにこの「ランド・ワリアー」はどんな知らないところででも絶対迷うことがない。GPS装置が防弾チョッキのポケットにしまわれているからだ。いつでもスクリーンの上に地図を呼び出して自分の位置を知ることが出来る。そのシステムはすべてベルトに埋め込まれたミニコンが制御する。

しかし一番すごい点はこの「ランド・ワリアー」の装備は見えない点にある。各兵隊は常に他のメンバーと移動型で最新型の無線でつながっている状態にある。胸のところに小さなデジタル無線器がはめ込まれてあり送信受信とも自由自在だ。スクリーン上に興味深い物体を捉えるとボタンを押すだけで仲間全員にそれを伝えることが出来る。ヘルメットについて居るマイクで仲間全員に話しかけることが出来る。このマイクは発声時の頭蓋骨の振動をとらえるタイプであるから、どんな騒音の中でもかすかに囁くだけで通信が可能だ。スピーカーはヘルメットに埋め込まれている。外付けの二つのマイクは150メートル先のかすかな物音でも探知可能だ。大音響となると自動的に消音機能が働くので鼓膜を痛めることもない。

GPS装置とレーザー装置はお互いにデータ交換するようになっており、常に歩兵は仲間の歩兵がそれぞれどこにいるかスクリーンに表示させて知ることが出来る。もし一人が銃で仲間を狙ってしまうとヘルメットから警告音が発せられる仕組みだ。

電子メールも送ることが出来る。最新の技術進歩にも拘わらず下士官は一定の時間には必ず報告書を文書で書くことが義務づけられているからだ。スクリーン上のバーチャルキーボードか無線機に取り付けたボタンを押してテキストを書くが、あらかじめ用意された定型報告書文案リストの中から選んでもよい。

「ランド・ワリアー」は同時に後方部隊ともつながっている。司令部では歩兵部隊がどんなに遠くにいようとも戦場で何が起こっているのかを知り、直接歩兵と話すことも出来る。砲兵隊は、歩兵がレーザーでとらえた敵の位置を瞬間的に正確に知ることが出来る。この装備は歩兵が24時間活動できるだけの電力を供給する電池込みで全部で6キロの重さである。

民生電子機器の進歩によりこのことが可能になった。2004年の早い時期から陸軍歩兵部隊の相当数の部隊に導入が予定されている。この二月には実際に演習でテストした。いまは最後の調整作業に入っている。

担当の大佐はこう言っている。「最初は兵隊達が新装備になれるには少なくとも2週間位かかると思っていたが、実際には午前中だけで大丈夫だった。ビデオゲームやインターネットで遊んでいる世代はこれを直感的に理解することが出来る。これは従来の戦法を根本的に見直しすることにつながる。いままでは歩兵が敵陣に突撃をかける時は、どうしてもグループを作りお互いに見える距離に固まる傾向があった。これは本能的なものできわめて強い感情である。でもこの電子装備のおかげでお互いに常にコミュニケーションが取られることで歩兵は散開できることになり、もっと冒険的な展開が可能になる。これで兵隊間のコーディネーションがよくなることはもちろんだが、もっと大胆に創造的な戦術が可能になる。最初は米国の歩兵が土地勘のないところでの市街地戦などで有効だと考えていたが、今はすべての戦闘で有効であることが分かってきた。これは一部の古い人間が心配するように歩兵の仕事を楽できれいなものにするということではない。戦争とは常に疲労困憊し泥だらけになるものだ。決して歩兵達を手を汚さない技術家集団に変えるつもりはない。我々の目的は、決して兵隊を楽をさせようと言うのではなく、兵隊の殺傷能力を増加させることにあるのだ」という。

(以下、未来歩兵の次世代バージョンについて等。略)

Yves Eudes


・ ARTICLE PARU DANS L'EDITION DU 06.03.03







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