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2003.2.13

アメリカズ・カップで、またしても「南半球」の人たちははとんでもない工夫をやってくれました。昔々「水平キール」を密かに開発し、デニス・コーナーからカップを奪ったのもオーストラリア・チーム。今度はニュージーランド・チームが喫水線を「合法的」に延長する「フラ」という器具でみんなを驚かせています。全くなんでもありなんだから、困ってしまいます。正々堂々と勝負せい!

フラの画像

La Nouvelle-Zéande invente le hula pour garder la Coupe de l'America (2003.2.13)

ニュージーランド・チームはアメリカズ・カップを守るために新兵器(フラ)を開発した


ニュージーランド・チームはこれまで隠されてきた船体部分のベールを取った。

遂にストッキングを脱いだ。2月11日水曜日、伝統的な「ベールを取る日」に、アメリカズ・カップを戦うスイスの挑戦艇「アリンギ」と、ニュージーランド・チームの防衛艇「キウィ」は、それぞれ2月15日かオークランド沖で行われる9回戦に出場させる彼等のヨットの今まで隠されていた船体下部の部分を公開したのだ。

億万長者のベルタレーリに率いられるスイス・チームは、フレンチカンカンの調子で若い5人の女の子にスカートを揚げさせて、挑戦艇の名前をパンティーに取り付けた文字札で読ませるなどの余興を演じてこの「ストッキング取り」の儀式を盛り上げたが、ニュージーランド・チームが防衛艇の船体下部を覆っていた幕を取りさると、人々の関心は(女の子のスカートより)そっちの方に行ってしまった。ニュージーランド艇の船体下部には新兵器「フラ」が取り付けられていたのである。

「フラ」とは「船体(ハル)の付属物(アペンディックス)」の省略形で、船体の喫水長と船速が比例するという理論の非常の巧妙な応用である。アメリカズ・カップの計測方法は非常に複雑な関数式で規定されるのでただ一つでもサイズを変更するとセール面積などの他の寸法が全部影響されるのである。

だから喫水線長を長くすると当然セール面積を小さくしなければならない。だから殆どすべての参加艇は、ごく小さな部分で個性を出すだけであり、全体的には同じような形になってしまうのだ。

ニュージーランド艇の巧妙なやり方は、この「フラ」が約75センチの長さで独立した付属物として船体に取り付けられていることから、計測の対象とはならないということである。船体工学の専門家によればこの「フラ」により船の速度は追い風の元では約0.3ノット早くなるとのことだ。

この速度の違いはコンピューターによるシミュレーションで十分知覚できるものである。「フラ」は船体の第二の皮膚と云うべきもので、付属物と認定され、船体とは数カ所で接続されておるだけであり、数ミリメートルの隙間を水が強制的に通過するようになっているのだ。「フラ」とは同時にタヒチのダンスの名前でもある。

オラクル・チームとアリンギ・チームの弁護士は早速この問題を取り上げるつもりだ。でもニュージーランド・チームには絶対の自信があるようだ。事前に大会技術部長の承認を取り付けているからである。

アリンギの技術者達は、このフラの存在を昨年の12月に知っており、次の二番目のヨットにはこの理論を適用して船体後部を全体的に設計し直す予定だ。でも現在の挑戦艇にはいまさら適用は不可能である。

逆に、ニュージーランド・チームは最初からこの理論に目を付けており、この付属物を使う前提で最初から船体を開発していた。アリンギ・チームは「この数ヶ月の実績を見た上での判断だが、我々は現行の形状を変えずにレースに挑むとの結論に達した」という。

レース結果次第で、次のアメリカズ・カップは、防衛艇が勝った場合は2004年から2005年にかけて、挑戦艇が勝った場合は2005年から2006年にかけて執り行われることになる。いずれにしても「フラ」の使用をめぐるルール上の誤解を避けるためにも、次回のアメリカズ・カップでは、大会主催者側はこの船体と独立した連続性のない喫水線を正式に認めるべきであろう。

Jean-Jacques Larrochelle

・ ARTICLE PARU DANS L'EDITION DU 13.02.03






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