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余丁町散人(橋本尚幸)
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2002.12.29

きょうのルモンド社説。例の新興宗教集団によるクローン人間製作についてです。倫理は科学に優越する。この簡単なことを分かっていない人が多すぎるのです。もっとも日本に於いては倫理自体が希薄であることがあり、それが麻原などに頭のよい人間がたぶらかされた原因となりました。多神教と集団主義が日本における倫理の希薄化に繋がったと見ていますが、どうでしょうか。

L'éditorial du Monde
Clonage, danger


社説、クローンは危険


証拠はないとはいえ、この問題はあまりにも深刻である。この著しい傲慢さは見過ごすことは出来ない。考えられないようなことが起こったようである。これは非可逆的な事件だ。根本的な禁忌が犯されたのだ。人類は、この性行為によらない再生産の可能性が現実のものとなったことで、新しい時代に突入したと言える。太平洋の向こうで最初のクローン人間を作り出したとする連中の発表は、まだ証拠は添えられては居ないので、条件付である。しかし、確実に言えることは、クローン生化学技術の現在の水準と複数の哺乳類でそれに成功しているという事実は、ラエリアン教徒達が実際にそれに成功していなかったとしても、現代においては、これはやろうと思えばやれる事柄となっていると言うことである。別の言葉で言えば、ラエリアン達が嘘を言っていたとしても、また明日か明後日に、いつ別の連中が本当のクローン人間を作ることに成功したと発表してもおかしくないと言うことである。

重要なことは、この行為の目的とが宗教上の理由のよるのか、治療を目的としたものなのか、またはお金儲けのためとか言うことではない。非可逆的な方法でもって、一部の研究者達が、科学的、医学的、倫理的な意味における三つのタブーを破ってしまったと言うことである。これが引き起こす結果については、まず一番に考えなければならない原則は、倫理である。倫理は科学の最初に来るものとして位置づけられなければならない。遺伝子のコピー製造は、性行為による再生産こそが多様な遺伝子の継続的な交配を通じて人類を再生産させるものであるとする原則に真っ向から反するものである。この線を超えると取り返しの付かないこととなる。いままでは遺伝子操作は経済的な目的でもって、すなわち動物に対してや、また人間に対する場合でも治療を目的として、行われてきた。性行為による再生産という基本的な原則は守られてきたのである。新しく作られる生命体は、最初の段階で男性のゲノムと女性のゲノムを交配して作られたものであった。ところがここに来て、単性生殖は認めないとするいままでの全ての努力が、失敗に終わってしまった。

この障壁はもはや越えることが出来るものとなってしまった。新しい状況はめまいがするようなものだ。この意味に於いては、いままでの国連や、フランスを始めとする個別の国々は、この禁忌に対する必要な司法的な禁止枠組みを間に合うようには作り上げることが出来なかったことで、無能であった。ほとんどの政治家や宗教家や科学者がこの行為は人類の尊厳に反する犯罪行為であると見なしているにも拘わらずである。

いまから司法枠組み手段を作っても遅すぎるのであろうか? しかしこれなしでは、大げさな禁忌をうたうだけではタダの紙切れにしか過ぎない。人類は、何もしないまま、プロメテウス神話の失敗を繰り返すこととなる。現在、どれだけコストがかかろうとも、我々のライフスタイルを自分で守るという使命に基づき、行動の枠組みを作る時である。

ARTICLE PARU DANS L'EDITON DU 29.12.02






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