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余丁町散人(橋本尚幸)
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2002.12.15 

ルモンド。ジョスパン前首相のお母さんの尊厳死についての論説。心を打つものがあります。

par Pierre Georges
La dame-fleur (2002.12.14)


花のようなレディー


この手紙は、まず祈祷書にある飾り文字のように枠取られた92という数字で始まる。「92歳、荒廃がやってくる前に、お別れする時です。私は静かにこの世を去ります。子供達や友達と別れるのはとても悲しいことだけれど、これが世の定めじゃないかしら。夫と子供達は、私をたいへん幸せにしてくれました。私は厳密な意味では信仰を持っては居ないけれど、ありがとうを何度も繰り返します。この世に素晴らしさに感謝します」

ミレイユ・ジョスパンは尊厳死の権利を求め行動する人たちに見守られ、自分で日時を決め、書面でその権利を行使することを声明し、最後の選択を求めて戦う人たちに、次のような最後の感謝の言葉を残しながら死んだ。「肉体のあるべき時の安息を求めて戦う全ての人たちに感謝します」

それが最後の言葉であった。自筆の手紙には「2002年12月5−6日」と日付が書かれてあり、その行動の前夜、いわばお通夜の夜にあたり、この意志を明確にし、人生に別れを告げるものであった。この「尊厳死を求めて行動する会」に宛てた手紙は、本人の意志に基づき公開され、本紙の12ぺージに全文が掲載されている。

文章は、心を打つもので、短いだけに一つ一つの言葉に重みがある。人生が美しかったことや、死がひとえに選択しうるものであることが述べられてあり、長く人の心に重く残るものであると考えられる。間際に当たって作成された静かな公正証書のようである。文章は、あたかもメタファーとして、人生を彼女のように愛された花にたとえる。人生の花は、つぼみが開き、開花して成熟し、やがてしおれる。これは、この年取った花のようなレディーの言葉である。全部、品位のある言葉で、静かに退出する尊厳とその意志が書かれている。

しかしこの手紙は、自分の内密のことを(尊厳死の選択ほど内密のものがあろうか)その目的は崇高であるが戦う行動主義と結び合わせていることから、人にショックを与えかねないものである。すくなくとも、信仰や信念に基づきそのような選択をしない人々に衝撃を与えるものだ。あるいは、もっと人数的に多いだろうが、もし苦痛と衰弱の中でそのような選択をしなければならなくなったとしても、それは内密に静かに執り行うべきものだと考える人たちにとっても衝撃を与えるものだ。その人達は、そのような個人的な戦いは、集団的戦いとはなり得ないし、またするべきでもないと考えているからだ。

我々は、ここでは、この議論には立ち入らない。別に議論を回避しているわけではない。この手紙は、問題含みとい言うよりは、感動的であるからである。この92歳の年老いた婦人ミレイユ・ジョスパンは、自分の寿命を早める選択をした。われわれは、この彼女が心を込めて書いた手紙は、決して自分を正当化したり、派を作るためだったり、もしくは単に親しい人たちへの詩的な言葉を書き連ねる為に書かれたものではないと思う。我々は、彼女の関心は別のところにあったと思う。それは、彼女は選択できたのであるが、苦痛と衰弱の床にありながらそういう選択をすることができないでいる多くの、実に多くの人たちが、同じ選択を持てるようにということなのである。

尊厳の中に死ぬ権利。彼女がそれをしたことで、また彼女の名前は社会的影響力のあるものであり、ミレイユ・ジョスパンは、彼女の主義主張と共に、それについて我々一人一人が深く考える必要性を社会に提起したのである。

(訳注:ミレイユ・ジョスパンはジョスパン前首相のお母さんである)

ARTICLE PARU DAN L'EDITON DU 14.12.02






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