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余丁町散人(橋本尚幸)
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2002.12.13 

ルモンド。日本関係の記事がないかと探すと、こんなのがありました。若者に大人気という「教会カッフェ」について。どこか香港あたりの話みたいですが、新宿歌舞伎町にあるらしいです。ヤングよ怒れ!馬鹿にされてるよ。

Les églises-cafés de Tokyo, "c'est quand même mieux que McDo  ! " (2002.11.28)


東京の教会カッフェ、「でもマクドよりはまし!」


東京特派員報告


雰囲気には全然瞑想的なものはない。お客は若者達。キャーキャー笑いながらスペイン産のワインをがぶ飲みしながらのエンカイである。いま流行のどこにでもあるカフェレストランのお客と変わらない。ただ驚くのはデコレーション。ここは夜の街新宿歌舞伎町、ビルの最上階の大きなフロアだが、テーブルの蝋燭と、天使達の彫刻でごてごて飾られた壁灯の灯りでよく見ると、店内は教会のデコレーションとなっているのだ。

部屋の全ての壁面にでっかい6メートルの高さの金ぴかに塗られた木の祭壇で覆い尽くされている。祭壇の上にはキリストの像と蝋燭。両側の壁の窪みにはペンキ塗りの木製のマリアと聖人達の像。聖櫃さえおいてある。その上には司祭のミサ用の上着が掛けてある。最後の晩餐の絵もある。見上げると十字架があり、そこからシャンデリアが吊されてある。レストラン入り口にはメニューがおいてあるが、それは説教台に置かれた聖書に見せかけている。

この異様なところは「クリストン・カフェ」といって、宣伝広告によれば「教会をイメージしたレストラン」と言うことで、東京の若者達の間で今一番はやっているナウな場所の一つとのこと。毎晩1000組以上のお客が入り、予約なしの客は列を作って並んで待っている。もう一つ同じ名前のカフェを渋谷にも近々オープンすると。今度のは入り口が教会の柱廊の形をしているとのことだ。

レストランは「UGグローイングアップ」という会社のものが、その責任者は「別にお客を驚かすつもりではない」という。「ただ予期しない装飾が欲しかった。坊さんに聞いたら、結局のところ、お通夜みたいなもんで、飲んだり食ったりして、神様も若者が楽しんでいるのを見るとお喜びになると言っていた」とのこと。でもレストランの名前は「クリスチャン・カフェ」としたら、うるさい向きからちょっと不信心だと怒られそうなので、「クリストン・カフェ」としたと。「内装には、パリやバルセロナの蚤の市で本物の装飾品を買ってきた」という。

西欧人の目には、この「クリストン・カフェ」は宗教と世俗をめちゃくちゃに取り混ぜたパッチワークに見える。しかしこれは日本の伝統的大衆文化の雰囲気を良く表すものである。すなわちパロディーと記号の氾濫である。「クリストン・カッフェ」はキリスト教という記号で遊んでいるのだが、真意は別にキリスト教の勧誘でもないし、冒涜でもなく、単なるお遊びなのだ。レストランは寓話としての教会というわけ。

韓国では日本よりキリスト教徒が多いので(日本のキリスト教信者は人口の1%にも満たない)、韓国人はこのレストランには不快の感情を抱くようで「韓国ではこのように聖なる物体を飾りに使うのは信仰への冒涜と考えられるので、こんなレストランは存在し得ない」という。

UGグローイングアップ社は20年前、奇抜なラブホテルやノーパン喫茶などで知られる、大衆文化のるつぼといわれる大阪で設立され、若者向けのスポット、レストランなどの装飾を手がけてきた。社長は昔は暴力団の組長としてならした男だが、今は世界中を駆け回って、奇抜なアイディアを仕入れている。

同社は全国に40軒の店を持っているが、みんなこのような奇抜な装飾となっている。ある店は、巨大な仏像が使われており、ある店は象に乗ったタイの仏像。ヨーロッパを安っぽくイメージした店。アラビア風のもの等々。しかしこのクリストン・カッフェが一番成功しており、同じものが神戸と大阪にもあるが、投資額は一年の経たない内に償却したとのことである。

「みんなが面白いと言っているから」とこのレストランに來ている若い女の子は言う。「装飾品の意味が分かっているの?」との問いに「全然! いやだいたいかな。でもマクドより面白いもん」と答える。彼女は今若者に流行だという十字架のペンダントを着けている。「キリスト教徒ですか?」と聞くと「全然ちがう! デザインがかわいいから。それだけ」とのことだった。

Philoppe Pons

ARTICLE PARU DANS L'EDITON DU 28.11.02






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