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余丁町散人(橋本尚幸)
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2002.12.7 

ルモンド紙から。今般発表されたワシントンの研究所が調査した「世界における米国のイメージ調査」についての論説(社説)が載っています。この調査報告書はとても興味深い内容であり、下にリンクを貼っておきましたから、合わせお楽しみください。本題からちょっと離れますが、世界のほとんどの国において、2年前より米国のイメージが低下しているの中で、フランスとロシアにおいてのみ、米国のイメージが上昇しています。散人は昔からこの三か国は「似たもの同士」であると睨んでいたのですが、裏付けられた格好です。

L'éditorial du Monde
Antiaméricannismes
(2002.12.7)


嫌米主義

米国人がある重要なことがらを知りたいと思う時、彼等はその調査の術を知っているし、多くの場合その調査は客観性をもって行われる。これは、ワシントンのピュー研究所がまとめた世界における米国のイメージに関する調査に対して、まず第一に挙げなければならない評価点である。しかし、次に大切なことは、この調査結果を受容することであり、無視しないことである。ブッシュ政権自体のイメージも心配されるような状況になっている以上、これは尚更のことである。ビル・クリントン政権時代の国務長官オルブライト氏は、この報告書を評価して「唖然とする内容だ」と述べ、米国は「イスラム世界に対してまだまだやることがいっぱいある」と付け加えた。

調査報告書は、事実、米国のイメージがこの2年で大きく落ち込んだことを示している。2年前と言えばちょうどブッシュ政権の誕生と一致する。調査報告書の表現を使えば「米国の古くからの同盟国であるNATO諸国でも、発展途上国でも、東ヨーロッパ諸国でも、もっともひどくイスラム社会において」米国のイメージが大きく低下している。ホワイトハウスの特定の政策が諸国民の反発を買っていると言うところもあるが、もっとも激しく頻繁に皆をイライラさせているものは、特に近東諸国に対する政策実行の手法である。9月11日事件以降のテロリズムに対する戦争は、多くの国で支持を受けているが、サダム・フセインを力によってとどめを刺すと言う偏執的な目論見は(世界で)評判が悪い。米国だけで国民の過半数がそれを支持しているに過ぎない。

大西洋を挟んで両側での世論の食い違い(デカップリング)は突出したものであるが、エジプトとかトルコなどの昔からの親米的な近東諸国と米国の間での世論の食い違いはもっと大きなものである。邪悪な政権の崩壊をのぞむということと、結果的に事態をもっと不安定なものとしかねないのに実際に巨大な軍事行動を起こすことは、同じことではない。そのことから、ワシントンの本当の狙いはイラクの石油を支配することにあるのではないかとの疑惑が広く生まれるのである。

こういう状況下では驚くことではないが、調査した44カ国の事実上全ての国で、嫌米主義が盛り上がっている。ワシントンに対する非難の根拠は、米国が自分の巨大な軍事的能力を過信しているという点ばかりではなく、米国が地球上の米国以外の地域の経済や、社会や、環境についての難問題についてあまりにも無関心であるという点にも向けられている。

しかし、逆説的だが、長く嫌米主義の発祥の地と見なされてきたフランスでは、ロシアと共に例外ケースとなっており、米国のイメージが少しではあるものの改善している。2年前は62%だったものが今63%になった。とにかく小さいながらも改善している。アメリカ人が前から抱いている「フランスは米国のリーダーシップに挑戦する連中のボス」という紋切り型のイメージが揺さぶられた格好だ。なにしろ、米国のもっとも忠実な同盟国であるイギリスなどの国々で米国に対する不満が突出して大きいのだ。ドイツが対イラク戦争には参加しないと拒否したことや、トルコにおける不安感の増大は、ブッシュ政権が、チェイニー副大統領や国防総省のタカ派よりも穏健なパウウェルにより大きな信頼を寄せているこれらの同盟国を、納得させる必要があることを示すものである。

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参考:問題の調査報告書です↓

What the World Thinks in 2002
http://people-press.org/reports/display.php3?ReportID=165






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Copyright 2000 Naoyuki Hashimoto.