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余丁町散人(橋本尚幸)
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2002.11.26

ルモンド。犬の家畜化は東アジアにおいて最初に始まったとする研究結果が発表されました。これはすごいことです。地球上最初の土器も東アジアで(それも日本列島で)発掘されています。モンゴロイドは地球上で一番古い「文明人」なのです。(もっとも古いだけではあまり自慢にはなりませんが。シーラカンスの例もあるし)

Le chien est devenu "meilleur ami de l'home" en Asie orientale(2002.11.24)

犬は、東アジアにおいて「人間の最良の友」となった

それは、アン王女が11月21日、英国の王室メンバーとしては1649年のチャールズ1世以来はじめて、その愛犬のブルドッグ・テリアが子供も襲ったとして裁判所の被告席に立ったのよりも、以前のことである。

それはまた、昨年のクリスマスにアイボなどのロボット犬が流行ったよりも前のことである。名犬リンチンチンやミルーなどよりも前・・・、それは1万5000年から4万年前に東アジアのどこかで起こったことなのである。そこにおいて、はじめて、狼から派生した犬が人間に飼い慣らされ、その子孫達がやがてユーラシア大陸、新大陸へと広がってきたのだ。このシナリオは二つの遺伝学者達のチームが記述し、11月22日付の雑誌「サイエンス」に掲載された。

今日、犬には多くの種類がある。小さいのや大きいの、毛むくじゃらのもあれば毛の短いのも、頬が垂れたのも鼻がとんがったのも、むく犬のようにおとなしいのもブルドッグのようにケンカ好きなのも、いろいろである。国際犬協会では300種類の犬があるという。それも血統書付のものだけでの話し。こんなに種類が多いので、ダーウィンも「犬の祖先を正確に知ることは、ほとんど不可能なことだ」と書いたぐらいである。事実、狼とコヨーテとジャッカルのうち、どれが犬の祖先なのか、どうも狼らしいとは思われるのだが、正確には分からなかった。1997年になって、はじめて「犬狼」というものを祖先と決定することとなったくらいである。

カリフォルニア大学のチャールズ・ヴィラのチームは、世界中に広がる27群から162の狼を選び、それをコヨーテとジャッカル、それに67種の140匹の犬のDNA配列を比較した。その結果、DNAミトコンドリアは犬と狼ではわずか1%の差違しかないことが分かり、狼が犬の唯一の祖先であることが確定されたのである。

その研究によれば、最初の野生の犬が出現したのは約13万5000年前、すなわち人間による犬の飼い慣らしより10万年前とのことである。コヨーテのジャッカルは狼から派生したが、分岐はもっと以前(約100万年前)と考えられ、犬とは関係ないとのこと。

しかし、どこで犬は狼から分岐したのか。これまたDNAミトコンドリアの出番である。ストックホルムの王立科学研究所のピーター・サヴォレネン氏によれば、DNAの「コントロール領域」という部分で突然変異の蓄積がなされるのであるが、それを東アジア、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ極北からの654匹の犬について調べたところ、凡ての犬でほとんど共通の遺伝的特徴が見られたが、驚くことに、東アジアの犬において遺伝的な多様性が一番広く、一番進化していることが観察されたとのことである。

「これまでわれわれは中東地域で犬の家畜化が始まったと、考古学の発掘結果や他の家畜の多さから考えてがちであった」とサヴォレネン氏は言う。しかし遺伝子は一番信頼できるので上記の結論となった。東アジアの人間はただ犬を最初に家畜化したばかりではなく、多くの違う種類の狼から犬をブリーディングすることもしている。だからこれは「突然変異の偶然」ではないとサヴォレネン氏は言う。この犬の家畜化は約1万5000年前のことであると。

また、チャールズ・ヴィラ氏のチームは、アメリカ大陸の犬についても興味を持って調べた。アメリカ大陸の犬はアメリカ土着の狼から家畜化されたものか、それとも犬としてアメリカ大陸に入ってきたものかという点に興味を持ったのだ。これもDNA配列を調べると、旧大陸の犬も新大陸の犬も祖先は同じであることが分かった。だから犬は、最初にシベリアやモンゴルからベーリング海峡を渡ってアメリカに入ってきたアメリカインディアンの祖先達と一緒に、約1万3000年前に新大陸に渡ってきたことが分かった。かれは犬の家畜化は4万年前あたりだろうという。

この研究結果を読むと、現代の犬の種類の多様性は、最近数世紀の飼育手法によるもので、もともとの原種の相違によるものでないことが分かる。でも、まったくのところ、何故人間は犬を友とすることが有用であると判断したのだろうか? それはDNA鑑定でも分からない。しかし18世紀のフランスの博物学者ビュフォンは、当時の人類中心主義調で、こう書いている。「どうして人類は、犬の協力なくして、他の動物たちを征服し屈服させ奴隷化することが出来たであろうか。安全を確保し、世界を人間中心にまとめていくために、人間はまず動物の中に味方を求めねばならなかった。優しく撫でてやるとくっついてきて服従する動物を味方に付ける必要があった」ということである。

Catherine Vincent





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