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余丁町散人(橋本尚幸)
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2002.11.19
ルモンド紙より。11月16日付のロンドン・エコノミストがフランスについて二つの批判的な記事を掲載 ("A magic moment", "The French exception")。このルモンドの記事はその紹介と、それに対する皮肉たっぷりの反論。イギリスとフランスは歴史的に「敵同士」。お互いの悪口を盛んに言いあうのが面白いところ。でも基本的なところでお互いを尊敬し合っている。日本もそういう関係を近隣諸国との間に築き上げないといけないのでしょうね。

"The Economist" fait le portrait d'une "France divisée"

エコノミスト誌が描く「分裂したフランス」の肖像

シラク大統領は与えられた「絶好の機会」を生かして必要不可欠となった改革を進め「フランスだけは例外」という構図を維持できるのか、英国の雑誌は問いかける。

アングロサクソンのマスコミは諸外国について長い分析記事を載せるのが好きだが、フランスは往々にして例外的な存在と描かれる。その文化と生活環境はとても結構なのだけれど、たくさんの欠点(それが本当のものか偽のものかは問わず)やフランスが他の国と共同歩調をとらないことがショックを与えるのだ。とにかくフランスには無関心で居られないようだ。例外は、傲慢なブッシュの政策チームがヨーロッパの同盟国を無視することぐらいだ。

エコノミスト誌の今週の記事は、シラク大統領の対イラク外交の勝利がファイナンシャルタイムズやウォールストリートジャーナルで賞賛された後だっただけに、必ずしも読んでうれしい記事ではないが、客観的な分析を心がけており、衝撃を与えるものだ。同誌のパリ特派員ジョン・アンドリュー氏はエコノミスト誌では珍しい署名記事の中で、5月の再選以来変わらないシラクの公約にもかかわらず「フランスが一致団結して六ヶ月が経過したが、政治は変わったのか? フランスは活性化されたのだろうか? その答えは非常に混乱している。それはフランス人自体が、ヨーロッパの中のフランスの位置やグローバリゼーションのインパクトに混乱しているからだ。その混乱の根底にはフランス人とは何かという問題がある。フランス人は変化は避けがたいとは思ってはいるが、心の中ではあまり大きな変化をのぞんでいないからだ」と述べる。

シラクが再選されて、今までのコアビタシオンの時代には出来なかった改革を実行に移す「絶好の機会」が訪れているという。「シラクは今後五年間、フランスの改革を公約した以上、今までの口実を使って改革を先送りすることは出来ない。シラクは思慮深く行動することを期待したい。なぜならフランス経済モデルは永遠ではないし、フランス社会はもはやうまく機能していない」と。

まずやり玉に挙がるのがフランスの古くからの格言「我らが祖先のゴール人」という考え方に基づく異民族同化政策である。これはアングロサクソンの共同体方式よりも効率的とされているものであるが、エコノミスト誌は「悲しい現実だが、フランスの人種融合政策は必ずしも他国のものよりいいものではない」という。

経済政策については、別に驚くことでもないが、「フランスはより小さい政府とより大きな雇用が必要である。この二つは関係がないのである」との紋切り型を言っている。同誌はさらにフランス人の大部分はフランスは連帯と社会正義の国であるとの幻想を抱いているとする。「本当の連帯した社会とは次世代に付けを回すのではなく、連帯にかかるコストを現時点で払う社会のことだ」という。「しかし鉄道は早くて時間に正確だし、高速自動車道は良く整備されているし、保険制度はWHO加盟諸国の中でトップクラスだ」ともいう。だったらどうしてフランス人は「自分が脆弱だと感じている」というのだろう。

更に問う。なぜこの「カエル食い国民」の国の栄光を曇らせる数々のスキャンダルがフランス人を驚かさないかについて、同誌は「法治主義に基づく国家というのはアングロサクソンが偏執的に追い求めるものだから」というが、ちょっと結論を急ぎすぎてはいないか? イギリスの新聞は政治家のセックススキャンダルについては異常に執念を燃やすが、金融スキャンダルについては意外にもマスコミは沈黙するではないか。

最後に「フランスだけは例外」という説明の難しい点について。「フランスは懐が深く、最高の生活のよろこびがある」といいながら、同時に実情は決して良くないと言う。いったいどうやって同誌が言うような「自分のすることはせずにヨーロッパの農業から取れるだけ取る」というような事が出来るのだろうか。農業の例をとると、同誌は反グローバル主義者のホセ・ボベ現象にふれ、さらにエルベ・ゲイマー大臣の「農民は非人間的な世界で規格化されたり、一つの変数として扱われてはならない」との発言を受け「これは心からの叫びか、政治家の偽善か?」と問いかける。同誌は「疑いなく、その両方」と言うが、イギリス人がこの深い「例外問題」について答えを引き出せないようなら、我々が助けてやらねばならないのかね?

Patrice de Beer





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