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余丁町散人(橋本尚幸)
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2002.11.10 きょうはパリの自然についてペットが逃げ出したりするのは東京と同じですが、ヴァカンスが関係するのは面白い。あれだけ広い緑地があれば、そりゃあジャングルになりますね。

"Paris, une réserve naturelle qui s'ignore" (2002.11.8)

隠された自然の宝庫、パリ

パリは、知られていないが、生物多様化の一つモデルとなっている。近年、ヴァンセンヌやブーローニュ、それに市内のあちこちの緑地では、新規参入動物のおかげで動物相が変わりつつある。いまやパリは芸術的な動物ドキュメンタリー劇場と呼べるぐらいだ。無害なぴょんはね回る可愛らしい小動物から、はなはだおっかない怖い動物まで、いっぱい居るのだ。

マーヨ門の交通渋滞に巻き込まれたドライバーは、たびたび付近に動物たちが牧歌的に飛び跳ねるのを見ることが出来る。大きな公園のまんなかではあらゆる種類のウサギが、大きいのから小さいの、灰色から黒色まで、いっぱい飛び跳ねているのだ。また環状道路の緑地斜面ではウサギたちがあまりに蔓延って、緑地に多大の被害を与えている。

ペットブームのあおりで多くのウサギがこれらの緑地に放されてしまうことになった。というのは、ペットオーナーたちは、しばしば(特にヴァカンスの前日に)「ウサギさんは広々とした自然で生活する方が幸せなのよ」と自分の子供たちを説得して(ウサギを)捨ててしまうからだ。パリ西部のシックな区部では小さな種類のウサギを飼うことが人気を呼んでいるが、その種類のウサギは天敵を心配することがないブーローニュの森では非常によく順応して繁殖する。ヴァンセンヌの森ではキツネがコロニーを作っているが、同じように居心地が良いようだ。

市役所では特にアメリカ産のカメが広がることを心配している。5年前市役所は家庭からつがいのカメの片方を回収するプロジェクトを実施したが、3ヶ月で実に400匹のカメを回収した。このことをとってしてもカメがどれだけ広がっているかわかる。昔そのカメたちはペットショップで一匹5フランで売られていたもの(お店はカメを売ると飼育器具などで付帯して250フランの商売が見込めるのでカメの値段は特に安くしていた)。カメが大きくなって飼育水槽がたまらない臭い匂いを発するようになると、カメたちはこっそりと公園の池に入ってしまわれるのだ。

専門家は「フロリダ産のカメは何でも食べる。しかしもっと恐ろしいのはカリフォルニア産の赤耳カメで大きさは数キロにもなり、稚魚やオタマジャクシにとってはたいへんな危険となっている。彼等をカメから救うためにもカメたちはヴァンセンヌの森の一つの池に収容しなければならない」という。最近二匹のアヒルがすっと消えてしまったが、それは絶対赤耳カメの仕業であるというのだ。

専門家は続けて「原野における生物共生の理論は非常に進歩している。それによると外来種は潜在的にとても危険なのである。その外来種への需要が増えすぎた。今日、我々はその代償を払っているのである」という。彼によれば今年の初め、ヴァンセンヌの森の運河を底ざらいしたとき実にでっかいピラニアが見つかったというのだ。

そこで盛んに話題になっている質問をぶつけてみた。下水道の中にワニと大蛇が住んでいるという話があるが本当かと。専門家は「たしかに小さなワニや蛇が下水槽で見つかったことはあるが、あんな環境は動物にとってはよくないので(ワニや大蛇は)元気には育たない」とのこと。ともかくもそれはよかった・・・。

パリの動物相は必ずしも捨てられたペットによって増えているわけでもない。「パリの鳥の種類は150種類となっており、これは多くの田舎地方よりも多く、増殖率もまた高い」とのことである。モリバト、フクロウ、アオサギなど。またノートルダム聖堂やモンパルナスタワーにはタカが住み着いており、とても元気が良いらしい。

地球温暖化の結果、これらの鳥たちは「渡り」をやめてしまい、年中パリに住むようになっている。ツバメもそうで、季節が冬になってもパリに居残る。カモメも季節がよくなってもセーヌ川縁から離れようとしない。

「都市の自然は近年多様化を続けている。動物たちに危害を加える人間の数が減り、冬の寒さも厳しさを弱め、水質もよくなっているから」とのこと。廃線となった昔の環状鉄道路線はいまや動物たちにとってよく保護された「エコロジー回廊」と化しており、そこではハリネヅミ、シロイタチ、コウモリ、キツネなどが盛んに繁殖している。

パリの動物といえば、もっと身近な問題も忘れてはならないだろう。犬のウンコと増えすぎている鳩の問題だ。鳩の問題については(行政対策のおかげで)1993年に20万羽を超えていたものが現在9万羽にまで減少してきている。市役所によると2003年には「より効率的だがもう少し温和な内容の」一連の対策が計画されているとのことだ。詩的な気分にひたるため、マーヨ門のラッシュアワーのウサギさんたちはまだ残される、というところか。

Jean-Michel Normand






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