| 2002.11.9
最近の Le Monde から面白そうな記事をご紹介します。散人のフランス語の手習いとしてはじめました。今日は「ワサビ:強烈
(fort)、時には贋物 (faux)」という記事。笑えます。
Le Monde はオンラインで読めます。原文は下のリンクです。
Wasabi
: du fort, parfois du faux (2002.11.5)
(和訳)
ワサビ:強烈 (fort)、時には贋物 (faux)
「イタダキマース!(Bon appétit !)」。パリの鮨店の数が200以上となって「ワサビ」が普通の一般人が知る言葉となった。この緑色の練り物のぴりっと辛い味は、ちょっと醤油に薄めて使うと、お米の団子と生の魚の味をとても引き立たせてくれる。
2001年11月以来、フランス人の全員(「ほとんど」と言う方がいいかな)がこの日本の伝統的な調味料を知ることになった。それにはリュック・ブッソンが貢献していることを認めねばならない。彼の映画(ワサビ)で、格好いいジャン・レノが、そこらのニュテラのチョコペーストを味見するように、指で掬ってワサビの味見をしたのだ。
でもこの演技は実際には真似しない方がいい。ワサビとは強烈な香辛料なのだから。この、葉っぱがタチアオイに似ている根茎植物は、西洋ワサビのアジア品種として見なされているが、辛さだけが似ているだけで西洋ワサビとは別種である。
日本ワサビというのはとても栽培が難しい。収穫も少ない。収穫できるまでには二年も待たねばならない。一番上等のワサビは「サワ」と呼ばれ、山の中の沢とか水で満たされたワサビ田とかの、半水没状態で栽培される。「オカ」というのは普通の畑で栽培されるワサビだが、品質は安定していないと見なされている。
日本人はことのほか新鮮なワサビを珍重する。鮨職人は(伝統的に鮨職人は男である。女より手が冷たいとされているからだが、冷たい手でないとこのデリケートな料理は握れないのだそうだが、とにかくこの男の鮨職人は)、新鮮なワサビを擦ることにとてもこだわりをもつのだ。擦るのにはステンレスやセラミックとか、鮫の皮(鮫の皮はとてもざらざらしている)とかのとても精密な擦り器を使う。こんな洗練されたこだわりは、とてもじゃないが我々のところまではやってこない。本当のことを言えば、西洋で使われているワサビとはとんでもない代用品なのだ。それは新鮮でもないし、直前に摺り下ろされることもない。食通の目をくらますとんでもないインチキなのである。10月のウォールストリート・ジャーナル記事(クリエ・インターナショナル掲載)によれば「我々西洋人が食べる鮨の横に添えられているあの小さな緑色の物体は西洋ワサビとマスタードに毒々しい緑色の着色料を添加したものに他ならないのである」とのことである。
もっとガッカリすることには、ヴァンクーバーとかオレゴンで温室栽培で本当の日本ワサビを作っている栽培業者もいるのだが、かれらは彼等の本物の日本ワサビを市場で売るためには、わざわざ毒々しい緑色の着色料を添加しなければならないとのこと。西洋の消費者があの毒々しい緑色にあまりにもなれてしまっているからである。
本物か偽物かはともかく、ワサビは料理人のイマジネーションを刺激している。アムステルダムのレストラン Le Blakes の Schilo van
Coevorden はワサビでシャーベットを作ったり、オランダソースを隠し味に使ったりしているし、Alain Senderens は最近「ワサビソースつき鮭の炭火焼き」の真空パックをスーパーマーケット・カルフールで売りだし大儲けしている。
Guillaume Crouzet
カルフールで売っている Senderens の真空パックは4.5ユーロ。「SB」の着色料無添加チューブ入りワサビは2.7ユーロ、「キオコ」、46,
rue des Petits-Champs, 75002 Paris, 電話:01-42-61-33-65 で買えます。
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