野依良治さんの子供時代(首相官邸メールマガジンから)


安倍さんのメールマガジンはあまり読まないのだが、時々面白いのが入っていることがある。今週のメールマガジンに野依良治さんの寄稿があった。

野依良治さんとはご存じノーベル賞学者。「学習塾不要論者」としても知られる。こういう育ち方をされたととのこと:
 両親は私と弟二人、妹の四人兄弟を質実に育てました。戦中戦後は絶対的 な物不足で、家族の絆と「分かち合い」の精神なくして生きることは困難で した。神戸の小学校には、母が工夫して縫った衣服を纏い、やはり手製の布 袋に教材とおにぎりや日の丸弁当(やがて不評の給食になるまで)を詰め込 んで通いました。信頼する先生に励まされながら、健やかな心を育み、自己 肯定感をもって勉強しました。放課後は腕白坊主たちと野球、雑木林で道草 三昧、家にたどりつくのは夕暮れどき。早く帰れば近所の子たちと屋外で戯 れ、弟たちとの家事手伝いが常でした。夕食には必ず家族6人が勢揃い、そ の日の出来ごとを語り合いました。日曜日は近所で絵を習い、読書、また父 や弟たちと相撲や将棋、トランプなどに興じました。プロ野球や大相撲は人 気、しかしテレビはまだ無し。

 やがて、我が国が経済復興に向う頃、中学、高校は私をたくましく鍛えま した。授業と柔道、そして自学自習の「文武両道」が基本の生活でした。個 性溢れる実力派の先生方のお蔭で、基礎学力はこれだけで十分。柔道は師範 の指導と上下級生との切磋琢磨の中で、気力と体力を充実させ、礼節や社会 規範、責任感を培い、さらに勉学の意欲向上へと格段の相乗効果をもたらし ました。年6回の学力の中間、期末試験は厳しかったものの、悪友たちとさ まざまに語らい楽しく通学しました。この6年間は皆勤。

なんか典型的な阪神間ライフスタイル。もしくはNHK朝ドラ「芋たこなんきん」の世界。だから今の世の人たちには、どうしようもなく古くさく映る。また反感も呼ぶ。

でもこれは教育の原点でもある。野依良治氏は「出来ない子」を無理やり塾で鍛えて「いい大学」にやるという不自然なニッポンの教育スタイルが、高等教育の場で学生の玉石混淆を作りだし大学教育の質の低下を招いたと言いたいのではないか。一つの見識である。でも「努力は必ず報われる、いや報われなければならない」というニッポン社会においては、野依氏は少数派に留まらざるを得ないのである。

Posted: Thu - February 8, 2007 at 06:37 PM           |


©