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GDPよりもGNPを重視しなければならない時代に入った?


昔は経済といえばGNP(国民 総生産)のことだった。ところが昭和40年代よりGDP(国内総生産)がGNPの代わりに用いられるようになった。これがどうも問題のようだ。景況感と GDPに乖離が出てきているように思える。昨夜の日経夕刊の「十字路」コラムで書かれている中前忠氏の文章を読んで、勝手にそういう風に感じた。

中前氏はいう:
  1. 株高志向の経営は生産投資を抑制する。
  2. 投資の抑制は、供給能力の拡大と生産性の上昇を妨げ、内需の増大に対しては、輸入と貿易赤字の拡大で対応するしかな くなってしまう。これが米国経済だ。
  3. 巨額の経常赤字を解消する過程での不況を緩和するには、国内で設備投資を増やし、供給力を拡大し、輸入を代替するこ とが不可欠である。
  4. 法人税が低く、賃金の安い海外に投資して、その生産物を輸入する、という多国籍企業の戦略を国内投資重視に転換させ る税制や企業統治の抜本的な改革が必要である。

たしかにGDP(国内総生産)の拡大を考えれば中前氏の言うとおりかも知 れない。しかし多国籍企業の戦略は、GDPではなく「GNP(国民総生産)」の拡大という面で考えると、まさに理にかなったことなのである。国内で生産し ようと海外で生産しようと、投資収益さえ入ればGNP(国民総生産)は上昇するのだ。それにつれて景況感も良くなり株価も上昇するからだ。

GNPは、主語が「日本国民」でその日本国民が稼ぐ「場所」の制限はな い。一方GDPは「主語」は日本人でも外国人でも誰でもいいが、稼ぐ「場所」は日本列島内に限定される。このグローバル化の時代に、どっちが企業の実感に 沿っているのか、考えれば明かだろう。だから、アメリカ経済は「GDP的には」数々の問題を指摘されながらも、空前の繁栄を誇っているのだ。日本も高齢化 を迎え、急速に投資収益を重視するアメリカ型の経済になっていくものと見られる。

エコノミストたちはGDPで考えることが習性となってしまっている。これ がエコノミストといわれる人達の予言がなかなか当たらない一因かも知れない。

Posted: Wed - April 27, 2005 at 11:22 AM           |  


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