日経ヴェリタス:漱石が理想とした「高等遊民」階層の創出を目指す国民的ファンド「グロソブ」は「日本衰退シナリオ」に賭けているのか?


今週の日経ヴェリタスで腹を抱えて笑ってしまった記事。玄人には評判が悪いものの抜群の安定感を誇りいまや「国民的ファンド」にまでに成長した外債投資信託グロソブ(グローバル・ソブリン)の生みの親である国際投信顧問の山内一三氏に、哲学的な日本株の長期投資をすすめる特別編集委員の末松篤氏が鋭く切り込む。末松氏には悪いけど、山内氏の勝ちだね。

Q&A抜粋:
  1. Q:グロソブは日本初の「国民的ファンド」と呼べる投信。考えついたきっかけは? A:夏目漱石が留学した時代の英国では金利生活者が中産階級として社会を支えていた。漱石が理想とした「高等遊民」が成熟社会の中産階級なら、その日本版を作ろうとしたのです。世界最初の投信は英国のもので外債に投資する定期分配型でした。
  2. Q:ポンドは大英帝国の軍事力を背景にした通貨で英国民は為替リスクを負わずに高金利を享受できた。グロソブは長期円安の「日本衰退シナリオ」に賭けているのか? A:世界経済が相互依存を強めた今日、資産保全には武力は必要ないでしょう。英国民も外貨建て投資をして居れば、ポンドの長期凋落でより大きなリターンを得られたはず。
  3. Q:対外投資の原則は、自国よりも成長率の高い後発国への投資。日本が米欧先進国の国債に投資するのはこの原則に外れている? A:日本と米欧の経済の位相は逆転したのではないかと思う。潜在成長率は米欧の方が高い。
  4. Q:グロソブは基本的にデフレ対応型商品。資源などのインフレ圧力で経済環境が変わって、グロソブの「賞味期限」が切れることにならないか? A:日本の輸入原材料はGDPの一割以下。新興国の30億人近い低賃金労働者の存在を考えると、デフレ基調は続く。
  5. Q:投資には哲学が大切。結果がすべてではない。 A:投資の成果は、企業や社会の実物経済の成長と発展。その意味では、株式投資も債券投資も同じ。投資家が求めているものも、貪欲な「マキシムリターン」ではなく、長期に安定し納得できる「グッドリターン」である。

蛇足のコメントは控えるが、「恒産ありて恒心」という。末松氏がすすめる日本株の哲学的長期投資も、まずはグロソブなんかで足元を固めた上でやるものなんだろう。

新しく始まったこの日経ヴェリタスは結構面白い。今週号のトップ記事は買収防衛に汲々とする新日鐵の特集。本当に強い企業は防衛策なんか導入していない。今日新日鐵の持ち株を全部売った。

Posted: Mon - April 21, 2008 at 05:45 PM           |


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