日経「人口が変える世界」:高齢化と欧州マネー
きのうの日経だけれど、日本マ
ネーの将来を考える意味でもいろいろ示唆的。メモしておく。
抜粋:
- ロンドンのブルガリアへの不動産投資の仲介業者の取扱高が急増している。前年比2.4倍。
- ブルガリアでは都市近郊の不動産価格が年率2割近く上昇している。
- ブルガリアなどのEU加盟候補国に今、英仏独の個人マネーが殺到している。イギリスの若い世代も将来の資産づくりの
ために分散投資をしている。背景にあるのは少子高齢化。縮小する市場から成長市場へとマネーが流れる。
- トルコにも。イスタンブール証券取引所の株売買の7割が欧州などの海外勢。株価は昨年から7割上昇。不動産価格も一
部では年間で2倍に。
- 欧州の年金運用の債券シフトに弾みがついている。株高にもかかわらず、高齢化で年金支払額が膨らみ、年金基金の体力
が低下し株式を持つ余裕がなくなっているため。欧州では終身年金が主流だから「長きリスク」は年金基金が負うのだ。長期債の需要が増え50年国債も発行さ
れるようになった(英国)。
- パリバは「長生き債」という仕組み債の販売を検討中。受給者の生存率にあわせて利子が変動する。年金基金が負担する
「長生きリスク」を吸収する目的。メリルリンチでもこの目的でデリバティブを活用した新しい受託に力を入れている。
感想二三:
- 欧州はもともとGDPでは理解できない地域だ。海外からの投資収益を加味したGNPで見なければいけない。GDPは
低くても国民は豊かである背景はこういうこと。日本もだんだんこういう形になりつつある。少子高齢化を迎える将来の日本にとって周辺国との緊密な経済関係
の維持は生きるか死ぬかの問題。言い換えれば、周辺に成長力のある経済を有している限り、そして日本に金融資産がある限り、少子高齢化は何の問題でもな
い。お隣の国とケンカしている場合じゃない。
- 欧州では国民の「長生きリスク」は年金基金が負担しているのだ! これは日本とは大違い。日本では公的年金では生活
できないので、個人年金に入っている人が多いが、そのほとんどが10年とか15年の期間限定のものだ(最近終身も増えたがまだ少ない)。また貯金を取り崩
して対応している人もいる。計算通り平均寿命で死ぬことが出来れば幸いだが、寿命はどんどん長くなる。不幸にして長生きしてしまえば、公的年金だけで生活
しなければならなくなるのだ。日本に於いては「長生きリスク」は国民一人一人が負担するのである。
- 欧州の年金基金向けに開発されているという「長生きリスク」対策デリバティブを、日本では個人が必要としている。誰
か頭のいい人、こういう商品開発をしたら儲かると思うよ。例えば、毎月保険料(もしくは一時金)を取るが平均寿命まではいっさい保険金(年金)は払わな
い。でも、その人が平均寿命以上長生きすれば、その時点からその人が死ぬまで一定の年金を払うとかいう商品だ。医学は日進月歩だから保険会社にしてみれば
リスキーな商品だけれど、悲しいことに今の日本ではこういうものが必要とされている。
Posted: Sun - March 19, 2006 at 05:33 PM
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