「軽佻な独裁者は外交的驚愕を好む」(堺屋太一)
週刊朝日(7/2)で堺屋太一が小泉外交を痛烈に批判している。いちいち理屈が通っていて説得力がある。一読に値する。要点のみ整理:
1)まず北朝鮮がアメリカとの二国間交渉を強く望んでいることを小泉首相がブッシュにほいほいと(おまけにそれを後押しするかのように)伝えたこと。次のように言う:日
本にとって、アメリカと北朝鮮とが頭ごなしで協議されては困る。その日本の総理大臣が、いかにメッセージの取り次ぎとはいえ、アメリカとの直接交渉、それ
も首脳同士の歓談を臨む言葉を伝達しただけでも驚きである。さすがにブッシュ大統領は「バイはやらない六者だ」と答えてくれたが、小泉総理はさらに「六者
協議の際に二国間で合うこともできる」と促したという。これが事実なら、小泉総理大臣は、「日本の頭越しに米朝協議をやれ、日本は埒外で結構だ」と言った
ことになる。(中略)北朝鮮のミサイルはアメリカ本土には届かないが、日本全国が射程にはいる。日本にとってこそ重大である。それを「日本の頭越しに米朝
間で協議してくれ」と促したとは驚きだ。
2)次にロシアのプーチン大統領との会談で、小泉総理が平和条約の締結を強引に持ち出したこと:ロ
シアのプーチン大統領と会談した小泉首相は「平和条約は二人の任期中に解決しよう」と持ちかけ、プーチンはその議論をかわしたが、小泉総理はここでも仰天
発言をした。「ロシアはドイツとケンカしてもその後うまくやっている。日本ともそうしよう」。周知のようにドイツは第二次大戦後の東部国境における領土変
更をすべて認めた。すべてソ連に譲った。そのようなドイツを、小泉総理が例示したのは「日本も同様にして平和条約を結ぶ用意がある」と云う意味にとられか
ねない。ここでプーチン大統領が「よし、それで行こう、日本はドイツと同じようにするんだな」と突っ込んできたら大変なことになったろう。
3)また事前に政府内でも充分な意思疎通なしに多国籍軍への参加をコミットしてしまったこと:1990
年10月に政府は、「任務・目的に武力行使を伴う多国籍軍への参加は憲法上許されない」という見解を出している。それを知ってか知らずか、小泉総理が「多
国籍軍参加」と受け取れる約束をした。慌てて内閣法制局や外務省の官僚が、両者の整合性の取れる解釈を考えた。それが「ユニファイド・コマンド」を「統一
された指揮」ではなく「統合された司令部」と訳し、「多国籍軍は統合された司令部を持つが統一された指揮には服さなくともよい」と言うものだ。(中略)日
本の官僚の解釈は、世界の軍事常識を破るものだ。
4)戦前の松岡洋右との比較:松
岡洋右は、ヒトラーやスターリンにうまくおだてられて自分は外交の天才だと有頂天に舞い上がり、数々の馬鹿なことをやり日本を破滅に導いたが、その後の歴
史が示すところでは、松岡洋右はヒトラーやスターリンに弄ばれただけということになっている。金正日総書記に会えた嬉しさで有頂天の小泉総理が、同じ誤り
を繰り返さないことを祈りたい。
以上だが、堺屋太一としてはめずらしい激高ぶりだ。保守派とかリベラルかとかは問わずほとんどの年寄りが小泉総理のやり方に怒りを感じている。散人もそうだ。サイト内関連記事(キーワード「小泉 責任」で検索
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Posted: Mon - June 28, 2004 at 11:36 AM
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