「親の甘やかしがモラトリアムの累積を産む」(法政大学清成忠男総長)


昨日の日経夕刊「あすへの話題」で法政大学総長の清成忠男氏が子供のモラトリアム化 を嘆いておられる。法政大学の場合、就職を希望する学生の就職率はほぼ100%であるにもかかわらず、25%の学生が就職希望の登録すらせずに就職を拒否 しているというのだ。これは求人数とか雇用市場の問題ではなく、子供、いや親の問題である。

清成氏の言葉を引用する:
  1. 文部科学省の調査では昨年3月末の大卒者のうち、就職も進学もしていないものが27%に達している。その中でフリーターは5%、残りの22%は実態不明。

  2. 法政大学の場合、今年3月の卒業者のうち、就職・進学率が70%、進路が確定しないのは25%(うちフリーターが3%)、未報告者が5%。

  3. 就職を希望して就職部に登録している学生の就職率はほぼ100%。

  4. 問題は就職を拒否しているものが25%に上るということ。

  5. 親に経済的余裕があり子供のモラトリアムを許容している。親は働くことの意味すら教えられず、結果として甘やかしてしまう。

  6. これは日本の中産階級に生じている病理現象であり、社会の将来にとって由々しい問題だ。

ふーん、散人は若年者の雇用問題は雇用機会が少ないことにあると思っていたのだけれど、完全に間違っていた。若者側、正確には親の方に問題があるのだ。

ど うすればいいのか、いろいろ精神論はあるだろうが、結局は経済的な「アメとムチ政策」が必要だろう。親が若者達のモラトリアムを許容することが経済的に耐 え難いほど高く付く仕組みを作らざるを得ないのじゃないかな。扶養家族控除は成人に達した五体満足の子供に認めてはいけないし、住宅控除の大幅アップなど の若者が親から独立することへの経済的インセンティブも考えるべきだ。他にもいろいろあるんじゃないかなあ。とにかくモラルとか精神論だけでは、この問題 は片づかないような気がする。

(追記)

一 つ書き残したが、清成総長は「未報告者には中小企業の後継者が含まれていると思われる」とされている。これは推測ではあるが、就職しない学生の中の多く は、普通のサラリーマンの子息と言うより、商工業者、農家、漁業関係者も含む「自営業者」の子息が占めるのではないか。普通のサラリーマン家庭では子供を 遊ばせておく余裕がないのが通常であるからだ。以前書いたことがあるが、就職しない学生の多くはその理由として「親が就職を進めない」という理由を挙げて いる(「急増する就職しない学生達」 )。いくら零細であれいい加減であれ自営業の方が、どんなエリート(?)・サラリーマンとなるより、実質収入面、税制面でうまみがあるというシステム自体に問題があるのではないか。


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Posted: Wed - July 7, 2004 at 11:00 AM           |  


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