Le Monde
ルモンド社説「悲しい熱情」2003.3.1
最近ルモンドを誹謗する本が出版され話題になっていま
す。ルモンドの社説はスピノザの言葉を引用し憎悪に基づく行動はろくなことはないと説きます。岩波書店と朝日新聞を憎悪する連中にも同じことが言えるかも
知れない。その憎悪の底にあるものはコンプレックスですね。嫌米感情も同じかな。
L'éditorial du
Monde
Une passion triste
(2003.2.26)
ルモンド社説「悲しい熱情」
ルモンドへの批判は、一向に構わないばかりか、歓迎さ
れるものでもある。世界で最初のフランス語の新聞であり、2004年12月に60周年記念を迎えるルモンド紙は、もちろん影響力と力を持っている。弁明す
るつもりも悔やむつもりもさらさら無い。名の通ったすべての新聞がそうであるように、ルモンドも広く読まれてコメントされ理解され評価されることを希って
いる。しかし時として新聞はその影響力を悪い方向に使い権力を乱用する誘惑に駆られることもあり得る。間違うことも、ミスをすることも、人を傷つけてしま
うこともあり得るのである。
ルモンド紙の記者たちは、その経験からこの辺をよく
知っている。だから全員きっちりした社内コードに従っているし、制度的なチェックシステムもある。批判的な意見は歓迎され、建設的な批判として、読者から
の批判も掲載し、公開議論のページも設けるなどの措置をとっている。言葉を換えて言えば、ルモンド紙のポリシーとして、批判・異見はどんな強いものであれ
歓迎する。複眼的な多様な見解こそが最終的にルモンド紙の公平さと質の高さを生み出すものと考えているからである。
だから、過去に於いてもそうであったように今日も、ル
モンド紙は、ルモンドを批判する本が発刊されてそれが大きな話題となっていることに、むしろ誉められたという風に感じている。ただルモンド紙の希望は、批
判するならルモンドの経営方針に対する骨太の批判をして欲しいと言うことである。すなわち新聞の自由を守り、新聞の中の新聞として、どのような経済的、政
治的、イデオロギー的な圧力にも屈せず、編集報道のプロとして国内海外の真実を精力的に調査取材して読者の期待に応えるという編集方針に、云々するならし
て欲しいと言うことである。
原則の立場からすれば、ルモンド紙は今回の批判本の出
版を歓迎する。ルモンド紙の成功をもたらし、世界の2大メディアグループに対して唯一独立性を堅持してきたルモンド紙を支えてきたすべての記者たちへの賛
歌となる本でもあるからである。問題は、この本が、ルモンド紙の根本的な経営編集方針に云々するどころか、われわれは誰も信用していないとか、悪巧みをす
る陰謀家であるとか、嘘つきであるとか、いい加減なことを書いていることである。
批判と熱情は別のものである。スピノザが言ったよう
に、世の中に一番災害をもたらす「悲しい熱情」とは、それは「人にして知ることから遠ざける」ため、すべての人間はそれを避けなければならないのである
が、憎悪という感情である。憎悪とは羨望と似通った感情であり、人間を暴力に駆り立てるものでもある。一番悲しい熱情とは憎悪である。ルモンドに関して書
かれたこの本は、残念ながら、憎悪に充ち満ちている。
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ARTICLE PARU DANS L'EDITION DU 26.02.03
Posted: Sat - March 1, 2003 at 10:39 AM
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