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Le Monde フランス語は政治的異議申し立ての武器であるか? 2003.3.10




アラブ諸国でフランス語学習が急速に回復しているとの ことです。一時は植民地支配を思い出させるものとして拒絶されていたのですが、昨今はアメリカへの反発から昔のフランス語に復帰する動きが出てきていると のこと。国連安保理でのフランス外相の発言を見ると、やっぱり格好いいもんね。ある国家の国際的影響力とは人口、経済力、軍事力に加え「文化力」の関数で すが、「文化力」とは要は「格好の良さ」だから。


Le français, arme de contestation politique ? (2003.3.7)

フランス語は政治的異議申し立ての武器であるか?

アラブ諸国に於いてはフランス語は英語を押しのけるこ とになるのであろうか? アラブ諸国で現在起こっていることを見ればこのシナリオは十分考えられることである。モリエールが使ったフランス語への熱狂は、 フランス語を学びたいという学生の数の急増や大学でのフランス語学部が多く開設されつつあることに現れている。

フランス外務省によれば。クエートのヴォルテール文化 学院(フランス語学校)への入学志願者数は2001年から2002年にかけて30%の増加を示した。サウジアラビア、リヤドのフランス文化センターでは、 学生の数が増えたことに対処するため学生収容能力を倍増させねばならなかった。カタールでもオマーンでもバハレンでも同じ傾向が見られる。これらの国では 2003年から師範学校でフランス語は文科系の必須科目となった。アラブ首長国のアブダビでは、1998年にフランス語は公立学校科目から除去されたので あるが、いま再び二つのパイロット養成学校の必須科目として返り咲くこととなった。さらにこの流れは2003年に入ってからも30あまりの教育機関に広が りつつある。

「もちろんこの動きには政治的な意味合いが含まれてい る」とパリの情報通信庁はいう。学生が米国離れを起こしているのは、米国への入国ビザがたいへん取得しにくくなっていることも一因だが、米国の政治に対す る不同意を表明するためでもある。英国は、米国と同じ類と見られることから、同じように拒否される。結果的にフランスに向かうのだ。

レバノンに於いても、ヒズボラなどの原理主義者団体に 始まるシート教徒達は、国際的言語の学習の必要性を認識しているが、「大悪魔」の使う英語を習うのはとんでもないと言うことで、彼等の共同体の学校では大 々的にフランス語が教えられている。

『アラブ世界とフランス語、その現状』という本を著し たカチア・ハダッドによれば、ヨルダンは伝統的に英語圏国であったが学者サークルではフランス語が使われはじめているが、これはイスラエル・パレスティナ 対立におけるフランスの立場と結びついているとのこと。実際、パレスティナ人の共同体ではもともとフランス語が話されていたが、1948年にイスラエルの 建国と共にヨルダンに難民となったパレスティナ人達は殆どフランス語の学校を設立してこなかったのである。アラブ諸国では一般的だが、フランスの過去の暗 い植民地支配及び現在の存在感が「強制される二カ国語学習を拒否する感情」を生んだのであるが、それが今フランス語に復帰する運動を呼び起こしているので ある。

フランスとアルジェリアの関係改善を象徴するものとし て、アルジェリアのブーテフリカ大統領は、前代未聞の出来事であるが、世界フランス語圏サミットに出席したのである。シラク大統領の旧植民地アルジェリア 訪問の勝利であるが、フランスのイラクとの戦争に対するスタンスがアラブ諸国におけるフランス語教育にもよい影響を与えていることは間違いない。フランス が主張する立場は、別の戦争の前線に於いても勝利をもたらすことになろう。

Eloïe Cohen


Posted: Mon - March 10, 2003 at 10:33 AM           |  


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