Le Monde
バグダッドはレジスタンスの中心地となるだろう
2003.3.27
2003.3.27
今朝バグダッド特派員の報告の続き。市民の抵抗はどん
なものとなるのか、どういう準備をしているのか、現地からのレポート。市街戦は相当凄惨なものとなるようです。
Bagdad va être le haut lieu de la
résistance(2003.3.27)
バグダッドはレジスタンスの中心地となるだろう
反体制派もレジスタンスに参加する可能性が高い
バグダッド特派員報告
バグダッドは台風の目である。政治的にも軍事的にもそ
うである、サダム・フセインにとっては首都こそが米英軍に対するレジスタンスの中心地であり、アメリカにとっては首都こそがイラクの権力の中枢を破壊する
ために征服しなければならない地だ。
イラク南部における戦況はワシントンをして出来るだけ
早くイラクの中央司令部を無力化しなければならぬと言う必要性を加速させている。この目論見は「バグダッド包囲戦」につながるのか。攻撃は「バグダッドの
市街戦」と化するのか。
戦いが始まって5日目の3月24日以来、首都周辺部の
防衛ラインに対する空爆が強化された。イラク側は、公安部隊が溝や堀を掘ってその中に石油を入れ火を付け、飛行機や巡航ミサイルの目つぶしのための濃い黒
煙を発生させ、それが首都を覆っている。バグダッドではいよいよ戦闘となるとの気運に満ちている。
2002年にサダム・フセインはこういった。「われわ
れは街路で、屋根の陰に隠れ、家々の一軒ごとで彼等と戦うであろう」と。イラクの体制は、ガルフ戦争での苦い経験を忘れない。あの時砂漠の上では明らかに
優勢な米軍のためにイラク軍は全滅したのである。だから今回は共和国防衛隊と他のエリート部隊は都市に特にバグダッドに集中させるように指令を出してい
る。米英軍を危険を伴う市街戦に引き込むためである。
決意
軍事専門家はよく米英軍のイラクの都市部での採るべき
戦術をパレスティナにおけるイスラエル軍の戦術と引き比べる。しかしバグダッドはジェニンの難民キャンプでもないしナプルーズのカスバでもない。しかもパ
レスティナでは、地理的に(イスラエルにとって)有利であるに拘わらずパレスティナの戦闘員はイスラエルにとって大きな難物となっているのだ。
都市を防衛するためには、サダム・フセインは何にも増
して戦闘員の確たる決意に頼らざるを得ない。司令部との連絡が途絶えてしまった状態で、軍事的に優勢な敵の攻撃に対して人はどう対応するのであろうか。自
発的に、ブロックごとに、家ごとに、武器を取って戦闘を続けるのであろうか。イラクの体制側はそれが可能であると期待する根拠を持っている。
まず第一に、バグダッドにエリート部隊の中核部分を集
中させた事で、バース党の民兵や志願兵を戦闘に組織的に繰り出す軍事的基盤作りが出来ている事だ。大多数の住民は家にこもり戦闘の行方を見守るという事が
既定の事実であるとすれば、数万人、いや数千人の決意を持った男たちさえおれば、英米軍の攻撃に立ち向かう事が出来る。イラク南部の町々でそれは立証され
ている。
もう一つの理由は、愛国心の発揚を過小評価してはいけ
ないという事だ。既に戦争開始後一週間にしてそれは燃え上がりつつある。バグダッド市民で、サダム・フセインを好きでない人々も、反体制派の人たちでさ
え、アメリカに対するレジスタンス活動を始めるかも知れない。政治的な理由や、また自分の国が植民地化されないために、或いは単に友人や従兄弟や隣人と行
動を共にするために。
もし最初の攻撃が失敗すれば、またゲリラ活動が大衆を
巻き込むものとなれば、バグダッド市民は、都市を破壊から守るために長期化した戦争は当然望まないのではあるが、フセインのエリート部隊に合流する可能性
がある。
イラクの権力者は国民に対して長期化する市街戦に備え
るように呼びかけている。志願兵や、前回の戦争に参加した退役軍人や、バース党のパルティザン達や、学生達は、この数週間に簡潔な軍事指令を受け取ってい
る。彼等の武器は古典的なゲリラ用の武器だ。軽自動小銃、機関銃、手榴弾投擲器、ロケット砲、臼砲である。これらは航空機やヘリコプターや溜弾砲や戦車と
連携した攻撃に対しては無力ではあるが、いったん米英軍が都市部に入ってしまえば、サダムの長男クサイに率いられるエリート部隊と連携して、強力な尖兵
隊、反撃歩兵部隊と化するのである。
また同じ考え方でもって、イラクの権力者側はパレス
ティナ流の「殉教部隊」を組織したと言明している。警察学校やバース党の軍隊式教育センターの学生からなる自殺部隊であり、命令次第で命を捨てるように訓
練されている。これらのカミカゼ部隊は、この数ヶ月バグダッドやティクリットや地方の都市で行われるすべての軍事行進パレードに参加している。
イラクの大統領の戦略は明快であり、またそれによって
しか勝つ見込みはない。「バグダッド市民は、その指導者と国民と共に、近代のモンゴル軍を城壁で自滅させるべく固い決意で居る」とサダム・フセインは1月
17日の湾岸戦争の12周年記念演説「演説:すべての戦争の母」で宣言した。バグダッドは21世紀のスターリングラードとなるのであろうか・・・。
内部の問題
もし第一の焦点が市民の戦闘に参加する決意のほどであ
れば、第二の焦点はイラク内部の紛争問題にある。サダム・シティーと呼ばれる郊外の場末の町では体制に共感を持っていないシーア派の150万人が悲惨な状
況の中で生活しているが、何が起こるのであろうか。彼等は反乱を起こすのか。
今までのところ、公安部隊がそれらの町をコントロール
下に掌握している。町は夜間の空爆時は外出禁止で誰もおらず、昼間も静かである。兵隊や、警官、民兵が、区画ごとに街路ごとに見張っている。しかしもし米
英軍がイラク軍をバグダッド市外に追い払い体制が崩壊の兆しを見せ始めるとどうなるのか。イラク国民同士の戦闘が市街で繰り広げられるという恐ろしい事態
になるかも知れない。平和の町バグダッドはカオスの町と化する。
バグダッドは、不安に包まれ、息を潜めている。遠く
に、地平線の向こうに、猛烈な砂嵐の黄色いカーテンの後ろに、防衛線上での集中的な砲撃が続いている。
Rémy
Ourdan
・ ARTICLE PARU DANS
L'EDITION DU 27.03.03
Posted: Thu - March 27, 2003 at 10:24 AM
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