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Le Monde アスナール首相はスペイン世論の反対の中で孤立している 2003.3.18




イラク攻撃に向けて大西洋の小さな島でアメリカ、イギ リス、スペインの首脳が集まり共同宣言が発表されました。アメリカ、イギリスは分かるのですが、何故スペインが? 三首脳の真ん中にアスナールが堂々と 立っていたのは、格好はよかったですが、よく理解できないところ。その理由についてのルモンドの分析です。

Aznar, isolé contre l'opinion publique espagnole(2003.3.16)

アスナール首相はスペイン世論の反対の中で孤立してい る

スペインのホセ・マリア・アスナール首相はどこへ向か おうとしているのか? イラクについてはアメリカを無条件で支持するというアスナールの態度は世論を二分させることになった。2月15日のスペイン全土で のデモは20年ぶりの大規模なものだった。アスナール首相はいまや与党の人民党の支持しか持っていない。

アナリストや評論家は何故アスナールが米英の好戦的な 陣営に与するのか自問している。明らかであることは彼がバスク解放戦線(ETA)のテロとの戦いを最優先と考えていると言うことであろう。だから彼はサダ ム・フセインこそが国際テロリズムだとするアメリカの主張に真っ先に飛びついたのだ。実際、それがETAとどう関係があるのか、アメリカがこの問題につい て助けてくれるのか、またサダム・フセインがスペイン国民の直接の脅威となっているのかなどは、深く考えなかったのである。

アスナールはジャーナリスト達に2001年9月11日 の事件はテロリスト達はとんでもない想像力の持ち主であることを示したもので、だから想像できないような事柄に対処しなければならないとよく言っていた。 彼はそれに備えるのであって、それが彼の「静かなる」責任であり、フランスなどは「何もしないことに安住している」だけだというのだ。でも国連決議なしで のイラク攻撃にスペインが参加するかどうかは態度を保留している。3月13日にあるジャーナリストがしつこくそれを問い質したが、政府関係者は誰も口を閉 ざしたままだ。与党の人民党の幹部ですら、匿名を条件に、多分スペインの基地の使用を認めること以上のことはないだろうと語っている。

戦闘に参加してスペインは何を得ることが出来るのか?  アスナールとブッシュの「相互理解関係」は疑いないところだ。ブッシュ大統領はアスナールのことを「友達」と呼んで彼の「模範的な忠実さ」を言及してい る。ブッシュの就任後最初のヨーロッパ訪問では真っ先にスペインに來て、トレドの環境相の別荘に泊まったが、ブッシュはそれを「アスナール牧場」とあだ名 を付けた。小さな外交的配慮が時として大きな効果をもたらす。

アスナールの野望の一つに、スペインの国際舞台におけ る役割を見つけることがある。国連安保理事国であることは重要であるが、G8の一員と成りたいとも願望している。「強くて独立性の高いEC委員会」もかね てよりの彼の願望だ。2月27日のトニー・ブレアとの共同宣言でも「EC委員会の委員長の力を強化すべきである」と述べた。

スペイン、イギリス、ポルトガル、イタリア、デンマー ク、ポーランド、ハンガリー、チェコの「八カ国共同文書」はイラク問題についてアメリカを支持すると宣言したが、これはEC内部に亀裂をもたらすものとし てスペイン内部で厳しく批判された。多くの評論家は、これはアスナールがEC委員長の座を狙う野望から來たものだと解釈した。しかし本当はその反対で、ア スナールはフランスとドイツに代表される「古いヨーロッパ」と対決し、アメリカよりの旧共産圏諸国の支持を固めて、スペインが「新しいヨーロッパ」のリー ダーとなることを願望しているのである。

しかし隊列に加わること(ある人はスペインの「どこで も付いていく主義」とも言うが)には代償がかかる。「戦争反対」のデモはどんどんふくらむばかりで、野党の社会党の支持率(42%)は与党の支持率 (40%)を抜き去った。

反対に直面しても動じない

与党の人民党の支持率低下には驚くべきものがあり、い ろいろな危険な兆候が出てきている。

まず失業者問題に関する2002年6月のゼネストであ る。さらに「プレスティージ号」事故での環境災害の時の対応も悪かった。

軍隊の出動が遅れたし、情報が混乱した。専門家の意見 も聞かれなかった。アスナール自身も一ヶ月経ってやっと現場を視察したりして出遅れた。

プレスティージ号事故でもイラク危機に於いても、スペ イン政府は情報伝達が悪く、またその意志も不足している。これが人民党の権威主義と一緒になってよりひどくなっている。1996年から2000年まではカ ナリア諸島やカタルーニャなどの国内のナショナリスト達の支持をなんとか取り付けて議会で絶対多数を確保していたのであるが、イラク問題では議会はそうは いかない。

この強硬な発言トーンで右より路線を取ることで今まで は成功を収めてきたのであるが、来るべき地方選挙でも同じスタンスでやるつもりらしい。市民はデモをやっている。野党は得点を稼いでいる。でもアスナール は動じない。

Martine Silber

・ ARTICLE PARU DANS L'EDITION DU 16.03.03


Posted: Tue - March 18, 2003 at 10:28 AM           |  


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