Le Monde
フランスは代金を支払わなければならない!
2003.3.15
イラク問題でフランスは原則の立場を主張し勝利しつつ
あるかに見えますが、ルモンドのコラムニスト、ピエール・ジョルジュは、ステルス機の例えを引き、アメリカの感情的反発を過小評価するなと諫めます。前に
も書きましたが頭に血が上っている人を「殿中でござる」と後ろから羽交い締めなんかすると、一生恨まれるのです。理屈ではないアメリカの「草の根」感情に
は昔から怖いものがありますね。
par Pierre
Georges
La France paiera !
(2003.3.15)
フランスは代金を支払わなければならない!
近年、頻繁にアメリカのステルス機が出没するように
なった。この飛行機を見るようになると、ほんのかすかにでもそれが目に映るようになると、作戦開始は遠くないと言うことである。
このステルス機がまたやってきた。昨晩のテレビで、こ
の吸血鬼のような格好をしたこのものすごい攻撃機の映像が放映された。ステルス機は、その姿といい形といい、夜見ると気味が悪いものだ。しかもわれわれの
乏しい軍事知識で知る限りに於いては、このステルス機は夜間に出撃する。より機体が見えなくして探知される可能性を限りなく少なくするためである。戦争が
始まれば、そう遠くない先であるが、夜に、このステルス機は真っ先に出撃する。まるで悪い予兆のように真っ先に爆撃することがステルス機の使命なのだ。
しかしまだそういう事態ではない。まだ始まってはいな
い。今朝の時点では、むしろ烈しい憎しみの感情が目につくのだ。よく言うように憎しみの感情は戦争の時よりも平和の時の方が高まる。この平和は、フランス
が望むものであり、またフランスばかりではなく他の何十という国の国民が望むものであるが、大きな犠牲を伴うものである。今日の外交上の被害は言うに及ば
ず、将来的には経済的な被害にもなって行くであろう。
あちこちで公式に叫ばれる声を聞いて分かるように、反
仏キャンペーンは方々で広がっている。フランスは平和を主張しているものの、その平和のコストを払って終わっていないという感情が存在するのである。フラ
ンスは代金を支払わなければならない!(食い逃げは許さない!)昔々のスローガンの復活である。イギリスとアメリカの高官達はフランスをとても忌み嫌い、
フランスのことをサクソンでは汚い役割とされる裏切り者とか臆病者とか偽の友達のような偽の同盟国とまで言うほどである。平和の守護者とはとんでもない、
汚らわしいサダム・フセイン体制を排除することをじゃまする奴だというわけだ。
これは彼等の見方ではある。しかしこの見方はますます
烈しく過激な形で現れてきている。フランスは代金を払わねばならない。毎日のようにアメリカでは当局者の厳しい論調はますます高まり、フランス嫌いの風潮
はますます現実のものとなりつつある。すべての「フランス」と名の付くものは、人間であれ、文化であれ、製品であれ、表現であれ、思想であれ、戦争当局者
にとっては裏切り者と見なされるようになっている。我が国と我が国の立場は、アメリカの世論の審判によれば、意味論的にまた漫画的に卑劣であり「フレン
チ・フライ」はすぐ「リバーティー・フライ」と改名されたぐらいだ。
事態はもっとひどくなりつつあり、全くの無理解と激高
が高まりつつあることが観察される。憤慨の感情はますます外に表明されることになる。第二次大戦中フランス解放のために戦って勲章を貰った退役軍人達が、
むかしは米軍に解放されたくせに今日は汚らわしい国になってしまったフランスに、貰った勲章を返還する動きを見ればよい。また共和党の誰かさんがフランス
解放のために戦死した米軍兵士の遺骸をフランスから米国に返還させて埋葬すべきだと提案したということもある。そして何よりも、このような感情の亀裂の広
がりは今後もずっと残ることになるのだ。
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ARTICLE PARU DANS L'EDITION DU 15.03.03
Posted: Sat - March 15, 2003 at 10:29 AM
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