視点;イラク問題での小泉首相の責任は問われなくてもよいのか?


イラク情勢は「デザスター」の一言に尽きる。トンでもない大チョンボだ。ブッシュ大統領の責任は激しく問われており、彼の大統領再選の目ははっきり言ってなくなったと言っていい。ブッシュを支持したスペインのアスナール首相の与党はすでに退陣を余儀なくされたし、ブレアも同じ運命をたどりつつある。しかし、ずうっと一心同体でブッシュのイラク介入政策を支持して「僕は『真昼の決闘』のグレースケリーだ」とはしゃぎまくった小泉首相についてだけは(ここ)、イラクの惨状についてのその責任を問う声は、まだまだ小さくてほとんど聞き取れない。日本国民は馬鹿なのだろうか?

今回、イラクで取材にあたっていた二人の日本人ジャーナリスト(橋田信介さんと小川弘太郎さん)が殺された(<イラク日本人殺害>外務省が2遺体を確認 )。自民党はさっそく、例の「自己責任論」を展開して、行くなと言ったのにあんなところに行ったのが悪いという論戦を展開しつつある。しかし、イラクでどんなことが起こっているかを知る権利は、国民にある。ジャーナリストが報道しなければ、我々国民はイラクでどんなことが起こっているのかまるで分からないのである。その意味で、殺された二人のジャーナリストは我々日本国民のために尊い命を賭けて職業的義務を遂行していたにすぎない。われわれ全員が被害者なのでである。元はといえば彼等は安全に職務を遂行できていた。戦争が始まる前まではイラクではは何千人、何百人の日本人が職業的任務に携わっていたのである。それがなぜ急にイラクから出て行けと言われ、また死ななければならなくなったのか? その原因は、イラク情勢をあそこまで悪化させたブッシュの馬鹿政策にある。

しかし、それはブッシュばかりの責任ではない。馬鹿ブッシュに無条件で信任を与え、どんなことがあってもブッシュさんを支持するから、存分にやってくださいと言質を与え、積極的に支持した「同盟国」首脳も「共同正犯」の責任は免れない。スペインのアスナール首相はすでにその「共同正犯」のかどで選挙民に与党不信任を突きつけられた。ブレア首相も時間の問題だろう。しかし日本の小泉首相だけは、いっこうにその責任を追及されない。不思議なことだ。

日本普通の市民にとってはイラクは遠い国のことなのかも知れない。何が起ころうとも自分に関係のないことだと考えているのであろう。彼等に見えるのは小泉首相のパフォーマンスだけだ。戦後はじめて自国の軍隊を外国に戦闘活動に近いものに派遣できるということで舞い上がっているのだろうが、それにしても何という馬鹿な戦争をその機会として選択してしまったのか、そういう問題についてはまったく無邪気だ。戦後初めての自衛隊の海外派兵という本来ならば「輝かしい」機会に、まさに最悪の「馬鹿戦争」を選択してしまったのだ。

小泉首相の責任は追及されるべきだ。それができないのであれば、日本の民主主義はまだまだ未成熟であると云わざるを得ない。

Posted: Fri - May 28, 2004 at 10:08 PM           |  


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