日経:晩年の荷風と小林青年(川本三郎)
今朝の日経文化欄。荷風につい
ての新しい発見が発表されました。川本三郎が書いているのですが、晩年の荷風に寄り添っていた「小林青年」については、どういう人物なのか、その後どうい
う生活を送ったのか長らく不明のままだったのですが、ようやく今回明らかになったのです。これは事件です。
小林青年とは荷風の『日乗』に
何度も登場する人物だが、荷風に住む家の手配をしたり、家政婦を見つけたりして、あれやこれやと面倒を見ていた人物。荷風もとても信頼している様子で好意
的に書いている。しかしどこの誰なのか、よく分かっていなかった。
今年の春、市川市が企画した荷風展で、監修者の川本三
郎は「小林青年の消息をご存じの方は、ご一報ください」との掲示を出してもらっていたところ、40年も経っているのに、今回小林青年のご家族が現れたので
ある。以下発見事実:
- 小林青年(小林修)は、当時小林庄一という男性と暮らしていた。
- その人の姪に当たる二人の女性が情報を寄せてくれた。小林二三子さん(71歳)と船橋よし江さん(64歳)の姉妹。
- お二人によると小林修の本名は吉田修。大正8年(1919)生まれ。
- 生家は押上の理髪店。踊りが好きで、日本舞踊、西川流の名取りになりお弟子さんも持った。
- 昭和59年(1984)にガンでなくなった。生涯独身。
- 荷風の遺体を発見したお手伝いさん、福田とよを紹介したのも小林青年だった。
- 写真を見ると、美男でダンディーな青年。
- お墓は多摩墓地にある。
一つ付け加えると、小林青年が習っていた日本舞踊、西川流の家元とは、荷
風が長く住んだ余丁町の断腸亭から目と鼻の先の市谷台町にある。こんなことも親しくなるきっかけとなったのかも知れない。
今までこの小林青年についての情報がなかったため、散人はちょっとうさん
くさい人物ではないかと誤解していた。お詫びしなければならないかな。
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Posted: Sun - July 4, 2004 at 11:12 AM
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