日経:平城京は水銀公害で滅んだ(白須賀公平)


今朝の日経文化欄で大学等環境安全協議会名誉会員の白須賀公平氏が面白い仮説を書いておられる。奈良の都は水銀公害による中毒が遷都の引き金になったというのだ。

奈良の大仏が完成したのは西暦749年だが、金メッキをするために大量の水銀が使われたという。同氏が調べたところでは、水銀約50トン、金約9トンが使われたという。メッキ方法はアマルガム法というやり方で水銀と金の合金を大仏の表面に塗りつけその後に炭火で加熱して水銀をとばすやり方だそうな。この水銀50トンとおいうのは、現在日本で蛍光灯の生産に使われる年間水銀使用量の十倍になるそうだ。これだけの量の水銀を奈良盆地で蒸発させれば水銀中毒が起きないわけはないとおっしゃる。

奈良の平城京は壮大なものであったが、わずか74年間で歴史を閉じて長岡京へ遷都する。その理由を司馬遼太郎は寺院がうるさくなりすぎたためだとしているが、下水道の整備が追いつかなかったためだとする説もある。いずれもそれぞれに対策の立てようがあったように思われ説得力に乏しいものだっただけに、水銀中毒発生という今回の新説はまことに魅力的。

白須賀氏のような科学者がもっと歴史について発言するべきだと思う。

Posted: Fri - May 7, 2004 at 09:47 AM           |  


©