日経:「“閉じた保守”を避けよ、狭い特殊な利益への誘導を排除せよ」(佐々木毅)


今日の日経はなかなか読み応えのある記事が多い。佐々木毅へのインタビュー(「成長を考える」)はよかった。

要点抜粋:
  1. 個別の業界に関わるような狭い利益であればあるほど必死になって守ろうとする傾向がある。広くみんなに関わることは誰も熱心にならない。これは民主主義の一つのパラドックスだ。
  2. 少数者の利益が無視されるとよくいわれるけれど,実際は,多数者の論理の方が後ろに退き,狭い利益にものすごく関心の強い一部の人たちが大きな影響力を持つ。
  3. 数の論理がきちんと働くようにすることが大切。
  4. 外に向けて経済を開いておくことで、狭い特殊な利益への誘導が難しくなるので、問題の根っこが深くならないで済む。
  5. 保守主義は市場メカニズムには比較的好意的だが,ナショナリズムとのつながりも強く,一つ間違うと閉じこもり型になる。
  6. 経済的利益で国民をつなぎ止めることが難しくなり、ナショナリズムみたいなものに基盤を求める政治の流れも出てきたように思う。
  7. 外国人労働者の受け入れ問題が上手く処理できなかったのは見えざるナショナリズムが働いていたからだろう。
  8. 格差問題だが,東京が成長すれば成長が地方に波及して行くのだが,地方では東京のやっていることは関係ないと、露骨に言い切る人たちが現れてきた。成長はみんなを引きつけるテーマのはずだが,(地方では)そう思われていない。

そう,地方では経済成長なんて関係ない。公共事業さえぶんどってくればそれで食えるから。公共事業は不況のときの方がでっかい。だから地方にとっては成長は関係ないと考えるのも分からないことでもない。ニッポンはいよいよ三流国家に向けてまっしぐら。

佐々木先生をちょっと見直した。傲慢丸出しの東京大学総長という印象だったが,さすがは政治学者。ニッポンの政治を見る目は鋭い。

Posted: Sat - December 16, 2006 at 06:14 PM           |


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