日経;「それでも肉を食べますか」にみる日本の消費者運動の底の浅さ


きょうの日経新聞の夕刊の「世界耳より通信」の記事。「それでも肉を食べますか」と題して海外の消費者嗜好を紹介している。外国では日本にあるような「BSEにからむ肉に対する拒絶反応はまったくない」という。アメリカでもヨーロッパでも、みんな肉をぱくぱく食べている。

日本ではBSE問題などで消費者の「肉ばなれ」が進行しているそうだ。散人はまったくそんな問題には興味はなくBSE問題なぞは無視して肉を食べているが、普通の人はそうでもないらしい。肉の消費は減少し、米国からの輸入が無くなり競争相手が居なくなった国産牛やオージービーフの販売価格の確実に値上がりしているらしい。BSE問題で誰が一番損をしているのか、また誰が一番得をしているのか。

一番「損」をしているのは、疑いなく日本の一般消費者だろう。吉野家の牛丼は食べられなくなるし、スーパーで買う牛肉も確実に高くなっている。日本の消費者は「肉」を消費しようと思えば確実にいままで以上の価格を払う必要が生じている。みんなして痛みを共有しているのである。我々全員が対価を払っている。

一方、誰が一番得をしているののか。オーストラリアの牛肉製造業者と言うのはあまりに近視眼的であり問題を見過ごしている。一番得しているのは明らかに国内食肉業界と農林水産業界であろう。消費者の不安感情を煽り、食肉価格や国産農産物の価格をつり上げ、自分たちが一番得するように世論を誘導し、日本原産の農作物ではないとダメだという、へんな偏った嗜好を必要以上にあおり立て、自分たちへの利益誘導に成功している。

日本では、こと「安全」に関するとならば、いくらでも費用を払ってよいとの認識がある(そういう風に洗脳されている)。それを利権業界に巧く利用されている。しかし、一部の業界の利益誘導の為に、自分たちの本当の利益(自分たちの健康と厚生)を犠牲にするのであるなら、ナイーブであるとしか言いようがない。真の消費者利益の代弁者が現れるのを待たざるを得ないのであろうか。

散人は、この二ヶ月、米国で大流行であるという「アトキンス・ダイエット」を続けている。つまりお米などの炭水化物は摂取しないというダイエットだ。これは多分に政治的意味合いを持つものでもある。そもそも日本の農産物(とくにお米と小麦などの炭水化物)の価格は、農水族が作った高関税制度のために高すぎるのだ。そのシステムに対する「抗議」の意思表示としてのアトキンス・ダイエットなのである。日本に於いて、一番政治的に正しい抗議運動とは、日本原産の農産物や漁産物を食べないようにすることでしかない。日本人としては、とても悲しいことである。

はやく日本産の農水産物を、ボラれているとの認識を持つことが無く、心おきなく消費できる状況になることを願ってやまない。

Posted: Sat - May 8, 2004 at 10:59 PM           |  


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