日経:景観が変わる(上・中・下)……ひょっとしてホントに変わるかも知れない
5月3日からの日経「経済教室」で三回連続で景観問題。今回の「景観緑三法」は相当のことがやれる強力な法律になっているようだ。ツールは整備された。後はそれを使う政府・地方自治体の強い意志だな。要点をメモしておく:
第一回:「美」創造へ規制強化(伊藤滋、早稲田大学特命教授)- 景観法は昨年12月に施行された(一部は今年の6月から)。美を確保し、つくり出すという観点から、土地の使い方、建物工作物の作り方について、一定の規制を課すことになった。
- 景観計画区域を指定し、そのなかで建物などを造るものは市町村に届け出を行う。市町村は届け出に対して勧告を行い、形態については変更命令も出せる。画期的な規制力の強化だ。
- 農地についても景観農業振興地域を定めている。
- 景観計画区域内では、必要な場合、電線共同壕を設置する景観重要道路を指定できるようになった。
- 景観法に関連して屋外広告物法と都市緑地保全法が改正された。張り紙や立て看板・広告旗の撤去がこれまでより容易になった。民間の大規模敷地の緑化を義務付ける地域を設定できるようになった。これら合わせて「景観緑三法」という。
- まず汚い街をなくすことが肝要。広告旗を撤去させるべき。建物の上にある高い広告塔は撤去させろ。
- 街の道路の景観をもっともこわしているのが電柱と電線だ。特定道路財源を使えば電力会社の抵抗を気にしなくてもよい。出来た電線共同壕を電力会社に貸し出せばいい。
- ビルの屋上に設置されてある機械設備をカバーする屋根を義務付けるべきだ。
- 最小限敷地を決めて、ミニ開発を規制しろ。
第二回:地域の独自性を追求(進士五十八、東京農業大学学長)- よい景観地には人が集まる。伊勢市、小樽市、川越市、近江八幡市などの例。
- 今もっとも変化し荒廃しているのは農村景観である。農村地域では「景観で飯が食えるか」という意識が根強く残っている。でも景観でこそふるさと再生と観光立国が狙える。
- 最も簡単で効果的な景観向上策は「緑化」である。「色白は七難隠す」というが「緑は七難隠す」のだ。
第三回:成長至上主義見直し(松原隆一郎、東京大学教授)- 日本の景観はその無秩序さで全国的な均一化が進んである。
- 電柱と電線が醜く空を覆っている光景は、日本以外では韓国と台湾ぐらいでしか見かけない。
- 「価値相対主義」が浸透した結果、好き勝手な建築物が蔓延ってしまった。
- 今までは景観を維持するには条例しか根拠がなく、その条例は根拠となる法を持たなかったから、最終的には憲法によって土地所有権が保証されているマンション業者が有利にあった。しかし、今回法律が出来たことで違反する業者には刑罰まで科すことが出来るようになった。
- 地方自治体は何がその土地で「よき眺め」なのか議論しなければならない。
なんとなく期待が持てそうな状況になりつつある。しかし、「混沌こそが美しいのだ!」とする「価値相対主義者」がいっぱい居る日本で、はたして「美」を追求することが出来るのか、正念場だね。
Posted: Thu - May 5, 2005 at 05:38 PM
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