「小泉君はよ〜やっとる、ワシが渡した危機管理マニュアル通りじゃ」(風鶏爺)
小泉君は、よ〜やっとるな〜。えらいもんじゃ。ワシは誰かって? 北関東に隠棲する隠居じゃよ。さっき余丁町の隠居がなんか書いてくれとぺこぺこ頭を下げてきたんで、ま〜ワシも暇だし、余丁町のブログに書いてやることにした。お礼にカキをくれるというしな。え〜っと、なんの話をするんだっけ。そうそう小泉君の話じゃ。こんどのイラクの人質騒ぎ、見事な対応じゃないか。感心したよ。昔ワシがメリケンから持ち帰って彼にやった「危機管理マニュアル」を忠実に守って居るおかげじゃ。どんなマニュアルだって? それは極秘じゃよ。でも余丁町の頼みだからさわりだけ教えてやるね。
[メリケン持ち帰りの危機管理マニュアル(抜粋)]
第一条。危機に際してはまずその危機の本質を見極めよ
そう、これは大事なことじゃ。凡人はたいへんなことが起こったら、それだけで動転してしまうが、立派な指導者はそういうことをしてはいけない。たいへんたいへんと云うが何がたいへんなのか、何が危機に瀕しているのかをしっかり見極めないといかんのじゃ。つまり危機の特定じゃな。今回小泉君は人質事件の発生を受けてさっそく首相官邸に「対策本部」を設置したね。でもアメリカですらアメリカ人が海外で人質になったからと言ってホワイトハウスに対策本部なぞ作った試しはない。それは小泉君も重々承知して居る。跳ね上がりの若いのは二人や三人怪我しても国家的重大事件とはならんからじゃ。それなのになぜ官邸に対策本部を設置したのか? ここがポイントじゃな。つまり小泉君はこの人質事件は「小泉内閣にとっての」危機でである、危険が迫っているのは内閣だと正しく認識したからじゃ。つまり内閣存続策を考える対策本部じゃな。機敏に正しく行動した彼はエライ。
第二条。危機に際してはまず敵を見極めよ
これも大切なことじゃの。敵はいっぱい居る。でも戦線を拡大させては勝てる戦にも勝てない。優先順位を徹底的に考え誰が最大の敵かを見極める必要があるのじゃ。今回の場合、小泉君の判断は実に的確じゃった。つまり最大の敵は人質三人であると喝破したのじゃ。炯眼だね〜、小泉君。つまり、あいつらはどんなことをしゃべり出すか分からない。国民は感情に流されるから可哀想な人質に云うことは大きな影響力を持つ。どうやって彼等の口を封ずるか、これが一番大事なことじゃったんじゃ。うまく成功したみたいで解放された人質はすっかり萎縮しているな。いいぞ、いいぞ。もちろん人質が死んでしまえば口を封ずることにもなるのだが、それをやっては駄目だ。死者の声が一番大きいからだ。だから身代金はケチるなと云ってやった。どうせ納税者の金じゃ。
第三条。攻撃は最大の防御なり
これは喧嘩でも有効なことはみんな知っとるじゃろう。先制攻撃が特に有効だね、まず怒りを露骨に表す。俺は怒って居るんだと云うことを示さなくてはならない。日本人は相手が本気で怒り出すと、たいていしょぼんとするもんじゃ。次に敵を無力化させる謀略戦術を発動する。敵の信用をおとしめることが肝心。信用を失うと誰も話を聞いてくれないから無力化されるのじゃ。今回うまいこと都合のいい情報のリークしてくれる官僚とか、以心伝心で分かってくれる仲間がたくさんいて、大成功じゃったね。ワシとか小泉君が指示したんじゃないよ。以心伝心でわかってくれたんじゃよ。責任はないよ。またリークされた捏造情報をインターネットで流通させるとはさすがインターネット時代の指導者だね。ネットにはオタクが多いらしいが、オタクは自分と正反対の行動的なNGOが大嫌いだから、いっぺんにがさネタに飛びついてきた。これを汚い手だなんて云うやつには云わせておけばいい。何せ内閣存亡の危機じゃ。どんな禁じ手もアリ。これを最近の上品な政治家は忘れがちじゃの〜。
第四条。敵の人質を取れ
人質を取るのはテロリストで唾棄すべき行為だと声高に主張する一方で、こっちの方も人質を取らねばならんよ。一番有効な人質は人質の家族だろうね。あの高遠なにがしという資産家は相当お金に細かそうだから、お金を絡ませるのが良い。人質救出の費用は家族に請求すると云えば、まず縮み上がるのは目に見えている。老人にとってはお金は命より大事なもんだから、必死になって反省して娘を説得すると思うよ。そうなるともうこっちのもんじゃ。金額だけれど、ネットで飛び回っている何兆円とか云う数字を出すんじゃないよ。現実味がなくなってしまう。20億円程度がいいんじゃないかな。あの爺さんの全財産を取り上げたらそんなもんじゃないか。これは凄味のある脅迫になるね。国家権力に逆らえばどんなことになるか見せつけてやるのだ。ちゃんと小泉君はそれをやった。エライ。
第五条。敵を攪乱して問題の本質をぼかせ
これを小泉君は一番うまくやった。一番突かれると痛い事は自衛隊派遣の決定が間違っていたと証明されてしまっとることじゃが、世論はそんなことよりも人質の命とか自己責任とか、どうでもいいようなことに目が向いてしまった。これを継続させることが肝要じゃよ、小泉君。人質解放三人が帰ってきたら、すぐさま「人民裁判」じゃ。そうすると世論は可哀想だとかいい気味だとか、つまらんことを侃々諤々し出すね。肝心の本質問題の議論は当分避けて通れるのじゃ。何度も云うが、小泉君はエライ。
以上じゃが、ワシも満足じゃ。それにしても最近余丁町の隠居小屋とこには千客万来らしい。あいつはケチだからお茶も出さないらしいが、結構喜んでいる様子じゃ。でもワシに云わせれば余丁町の隠居はまだまだナイーブすぎるな。小泉君の爪の垢でも煎じて飲めと言ってやろう。
(風鶏爺と称する隠居老人からの投稿)
Posted: Sun - April 18, 2004 at 07:01 PM
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