バスボートのチルト・リモコンの不具合で勉強したこと
ボートが水浸しになってから、電気系統がおかしい。専門家にお出まし願ったが……。
ビルジポンプなどが動かないことについては単なる配線の腐食だった。メインバッテリーからはスターターモーターへの電線とは別に付属機器向けの配線もある。その別の配線にはヒューズが付いていて(過電流を防ぐためらしい)そのソケットが腐食していた。その場で交換するとビルジポンプ、ホーン、ライブウエルポンプなどが作動するようになった。めでたしめでたし。他はどうでもいいが、スキーターは水を被るのでビルジポンプが動かないととても困る。
プロペラのチルトリモコンが動かないことについては、來て貰ったサービスの人も頭を抱えてしまった。彼はリモコンレバーを外してスイッチを調べればわかると外してみたが、異常はないのだ。つまり、リモコンレバー基本的にはすべて機械操作の為のレバーだが、電気系統はただ一つ、チルトリモコンがある。チルトリモコンボタンからは赤と緑と青の電線が三本出ており、リモコンボタンを押すと電流が「赤、緑」で流れたり「赤、青」で流れたりするのだ。その電流が船外機のチルト油圧ポンプの電磁スイッチに結合されている。この電線がおかしいはずだとテスターでチェックすると、電磁スイッチまでは確かに電流が流れている。ところが電磁スイッチからは電流が流れていない。船外機に直接設置されているチルトコントロークボタンからも電磁スイッチに電気が流れており、かつチルト制御の油圧ポンプはちゃんと作動するのだ。ミステリーだ、こんなことは初めてだとメカニックさんは頭を抱えてしまった。メーカーに相談して貰うことにした。
エレキ問題。12ボルトでは動くのだが、24ボルトに設定すると最初ぴくっとプロペラが回るだけで動かない。これも24ボルト配線の問題だろうと調べてみると、エレキまでは24ボルトの電気は流れている。これは12ボルトと24ボルト切り替えスイッチの問題だと、フットコントロールペダルを開けようとすると、開かない! プラスネジでとめられているのだが、このプラスネジの仕様が日本のネジと角度が違うみたいで、ドラーバーの先が潰れてしまう。可哀想にメカニックさんはドライバーを壊してしまった。後日、別のドライバーで再度トライして貰うことにする。
チルト調整の問題。メカニックさんは、当分チルトは船外機の調整ボタンでやってください、走行中は出来ないが、出艇前にチルトを水平に設定しておけばだいたい大丈夫ですからという。やってみたが、どうも具合がよくない。チルトが水平だと、半滑走の状態でバウが上がりすぎるのだ。前が見えなくなるし、だいたい格好悪い。散人はあくまでも水平滑走が好きなのだ。そこでチルトはかなり下の方に(プロペラを下向き気味に)初期設定することにした。半滑走状態でバウが極端に持ち上がることがない。滑走状態になると、まさに矢のように真っ直ぐ突き進む、最高。でも波があると波に真っ直ぐ突っ込むので水だらけになる。これもいいでしょう。
歳をとってから新しいことをはじめると、いろいろ勉強することが多い。楽しい。
ところで、世の中には、機械系の人間と電気系の人間がいると思う。散人は目に見える機械が好きだ。ちゃんと手で触って目で確認でき理解できる。ところが電気系統は手では触れないし目でも見られないのである。テスターだけが頼り。これは抽象の世界だ。電気を理解できる人を尊敬したのであった。
でも、この世の中のすべての技術は、突き詰めていくと「抽象の世界」だ。世俗的なお金の問題を扱う経済学にしても、抽象的な理論を理解できないと、所詮なにも分からないのに等しい。きっちりした経済学者はこぞって、自民党守旧派や民主党が主張する「地方への財政配分」「ノーソン再生」のためのバラマキ政策を続ければ、ニッポン経済は衰退に向かってまっしぐらだと指摘する。ところが日本国民は身近な経済のことは分かっているつもりで、自分の「常識」で判断し、これこそが政治の役割だという。経済のメカニズムは複雑でなかなか普通の人には理解できないことが多い。電気が分からないのに船外機を直そうと思ってもうまく行かないのと同じだ。経済政策についても、人々はあまり「常識」で判断しない方がいい。(良質の常識で判断できる政治学と経済学は異なるのである)
Posted: Thu - September 20, 2007 at 07:39 PM
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