NHK:アパラチア山脈のロング・トレイル……人はなぜ巡礼をするのか?


今晩のNHKでは、やはりこれがよかった:
Yahoo!テレビ - ハイビジョン特集: "「人生のロングトレイル〜アメリカ・3500キロメートルの道のり」"

四国お遍路八十八ヶ所そっくりのものがアメリカにもあった。アパラチア山脈の3500キロメートルのトレイル。人生の壁にぶち当たった人たちがここを目指す。究極のナチュラリストの生活を送るのだが、ニッポンの似非ナチュラリスト達とは大違いなのだ。やっぱりアメリカはすごいと思った。本題とは関係がないけれど、印象に残ったこと二三:
  1. アメリカの「巡礼者」達は群れない。トレイラー同士では、出会ったとしても必要最小限の会話しか交わさない。彼らはあくまでも「個人」なのである。ニッポンの同じ趣旨の番組でよく見られるような、甘ったれた「仲間」意識とか、仲間同士の傷の舐め合いは皆無だ。
  2. 食事が質素。豆とか、インスタントパスタとか、イワシの缶詰とか、ニッポンのナチュラリストの基準から見れば信じられないほどストイックなものばかり。三週間分の乾燥食料をリュックに背負って携行する。ニッポンの登山者達はその点すごく遅れている。食事に拘りすぎて、携行食糧の重量が重すぎるのである。行動範囲も自ずと狭くなる。ロジスティックがネックとなって負けてしまった帝国陸軍の教訓がまだ生かされていない。
  3. トレイルの経路に、切り立った絶壁でものすごく危険な場所があるが、柵などは一切作られていない。ニッポンであれば事故があれば行政の責任だとして当然柵が作られるような場所。アメリカでは、危険や事故はあくまでも自己責任であるとして、余計な税金の無駄遣いはしないのである。かくして、アメリカでは強い自己責任意識のある個人が育ち、ニッポンにおいては、不都合があればなんでもお上の責任だとする「小作人的依存型集団ムラ人間」が育つ。

普通は馬鹿なテレビ番組の面白いところは、こうしたディテールにある。「神は細部に宿る」のである。

Posted: Tue - September 11, 2007 at 10:24 PM           |


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