NHK「クロ現」:地方の若手教員が都会に取られていく……問題の設定がまたして見当違い
地方の大学の教職課程を卒業した学生がどんどん都会に取られてしまうとNHKは危機感を煽る:クローズアップ現代 NHK: "求む“若手教員”〜人材争奪戦・教育現場で何が〜 :"今月から始まった公立学校の教員採用試験を巡ってこれまでにない異変が起きている。大都市の教育委員会が団塊世代の大量退職を補おうと人材の争奪戦を展開する一方、地方では少子化で教員採用数が減少、採用倍率の格差は最大で20倍近くにまで拡大すると見られている。こうした中、地方では学生が地元の教壇に立つことを諦め続々と大都市に流出、教員の高齢化が進み活気が失われることが懸念されている。"
マーケットメカニズムが機能していないことこそが問題なのである。これをNHKはまたしても無視。
地方の大学の教職課程を卒業した学生達は、地方では職にありつくことが出来ず(なんでも30倍近い競争率だという)、合格の見込みのない学生は都会に流れていく。都市部では教員採用試験の倍率は地方の20分の一ぐらいで(いわば誰でも教員になれるということで)、教員の質の低下が危惧されている。問題の背景は子供の数。都市部では子供が多いので教員が多く必要とされているのに、地方では子供が少なくなっているから教員はそれほど必要とされないのだ。
クニヤは、これこそ地方を冷遇した結果の「格差」の問題だ、地方の教職課程を卒業した学生が地方で職を得られることが大切だというが、まるで問題の本質を取り違えている。NHKの大好きな「格差」の犠牲者は、ろくな教員すら獲得できない大都市部の住民だ。何せ秋田県の20倍程度以下の競争率でちゃんとした教員を確保しなければならない。大都市住民は、相対的に程度の低い教員で満足するしかないのである。つまり大都市住民は秋田県に比べ相当程度の低い人に子供の教育を託さねばならないのである。これはおかしいのではないか? 「格差」の犠牲者は、むしろ大都市住民ではないのか。
教員が「地方公務員」であることが、問題の背景にある。余剰が生じても転勤させられないのだ。フランスではリセの教員は国家公務員だ。地方別の「需要」に増減に応じて、勤務地を転々とする。ニッポンでは教員は地方公務員であるが為にこれが出来ない。これが「クロ現」が問題提起しながら、意図的に無視した諸悪の根源である。
「クロ現」はどうしてそこまで踏み込めないのか? NHKは「いいとこ取り」での地方(農協・漁協)への利益誘導を政治的使命としている薩長閥自民党政権に仕える「国営放送」であるからに他ならない。
Posted: Tue - July 24, 2007 at 08:19 PM
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