NHK海外ネットワーク:インドネシア政府の鳥インフルエンザウイルス検体提供拒否問題


この番組、とても考えさせられた。さすが道傳愛子。番組表には仔細はないので紙面から事実関係を:
世界・インドネシア:WTOへの鳥インフルエンザウイルス提供制限: "インドネシア政府は今週、国際保健機構( WHO )への鳥インフルエンザ・ウイルス提出を選択的に行う旨決定した。同決定の背景には、鳥インフルエンザ・ワクチン開発競争に置き去りにされるのではないかという開発途上国の懸念がある。"
感情的になることのない公平な報道ぶりは好感が持てた。

インドネシア政府は、ウイルス検体をWHOに提供して世界の製薬会社が鳥インフルエンザワクチンを開発出来るようになっても、ワクチンは高くてインドネシア国民は買えない。そんなの不公平だから検体を提供しない。他の人やインドネシア人が死のうと知ったことではないというもの。インドネシア政府がやっていることは、自国民の命を人質にとって、経済的な見返りを引き出そうとする一種の「瀬戸際作戦」。将軍様のやり方と大差はない。でも、悩ましいところだと、つい考えてしまうのがミソ。

ウイルス検体提供のおかげでワクチンが完成すれば、勿論インドネシア国民もそれを買える。流行地であるだけに一番の受益者となる。値段は高いかも知れないが開発費がかかるから当然だろう。でもインドネシアの判断基準は、検体提供で「おいらはもっと得していいはず」、「おいらよりよそ者が得をするのは不公平」というものである。端的に言うと「おいらが検体を提供するのだから見返りを寄こせ」と言うこと。

世界規模の疫病防止対策問題に、ナショナリズムが待ったをかける。だからナショナリズムは嫌いだ。日本でも同じようなものだ。閉鎖的な地域社会住民の「おいらがどれだけ得をするか」が支配的な政治動機となっている。日本で疫病が流行して、同じような地域エゴが出てきたらどうする? ナショナリズムや地域主義の行き着くところは、結局こんな世界なのである。

Posted: Sun - March 4, 2007 at 07:11 PM           |


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