『立花隆秘書日記』(佐々木千賀子)……秘書はクビにするもんじゃない
立花隆が、例の仕事場「ネコハウス」を建てて、女性秘書を公募で決めて、膨大な資料の中できわめて生産性の高い頭脳労働をしていたことはよく知られているし、その「ネコハウス」の中がどうなっているかも立花隆自身がイラスト入りの本を書いているからみな知っているが、彼が女性秘書からどう見られていたのかは、資料不足でよくわからなかった。ところがこんな本があったのだ。これを読めば実によくわかる。女性の目は怖い。
本というのはこれ↓まず、公募で秘書を決める過程から、筆記試験や面接試験の問題まで、詳しく書いてあり、立花隆のマニアックな性格もよく出ていて、抱腹絶倒。集めた秘書候補の前に現れた立花隆は「秘書は地味な仕事です。あまりたいへんな能力を持った人は、とても仕事内容に満足されないと思います。また、あまりに美人だと、こっちの気持ちがときめきすぎて困るので、そう言う人もふさわしくありません。もし試験に落ちたら、自分は能力がありすぎて、美人すぎるのだと思ってください」という。そんなことを聞かされて、彼女は500人の中から唯一人採用されるのである。面白くあるはずがないではないか。彼女の辛辣な観察は、その時点から始まったといえる。めちゃめちゃこき使われたらしい。「ネコハウス」の3階建ての建物全体が巨大な書庫となっていて、毎日毎日、立花隆から「あれを出して、これを出して」と言われるままに、重い資料を上に下に探し回り運搬する毎日。電話の応対も、しょちゅう怖い人から電話が入って、半端じゃなかったらしい。苦労して入手した資料も大部分は利用さえされなかった(立花隆は必要とする量の十倍程度の資料を集めて仕事をした)とのこと。スタッフは怒るわな〜。それでも5年以上何とか勤め上げたが、立花隆の財政状況が悪化したおかげで(出版業界もなかなかたいへんらしい)、秘書を置いておく余裕はないとクビになってしまう。彼女カンカン。立花隆の各著書の売り上げ部数まで書いて、90年代初頭に立花隆の本が売れたのはバブルにすぎない、それなのにフランスに別荘なんか買ったり、ローンでネコハウスを建てたり、女性秘書を雇ったり、分不相応なことをしたのがいけなかったのだと、プンプン。あげくの果ては、立花隆はインターネットにはまっていたが、一番よく見ていたサイトは「Hサイト」だったと暴露してしまったり、またいろいろ面白いことをたくさん暴露してくれるのである。やっぱり立花さん、秘書を雇ったら簡単にクビにしてはいけません。PS)立花隆の良い点も書いてある。立花隆の元には匿名で無数のたれ込み情報の類の売り込みがあったが、立花は公開されている情報以外は一切興味を示さなかったという。出典を明らかに出来ない情報は立花隆にとっては無価値であったのだ。これは情報分析と情勢判断の基本中の基本であり、多くの先達が。繰り返し述べていること。背景と主語が明確でない情報は、単なる雑音にしかすぎない。インターネットにおいても同じことが言える。
Posted: Thu - August 11, 2005 at 03:44 PM
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