7/10 Today ヴェルレーヌがランボーを撃つ (1873)


ポール・ヴェルレーヌ(Paul Verlaine) はこの日親密な友人アルチュール・ランボー(Arthur Rimbaud) を拳銃で撃った。まあ痴話喧嘩みたいなもんです。でもこれからこの二人の詩人は可哀想な人生を送ることとなる。ランボーは以後筆を折り20年に渡る放浪の旅を続けるし、ヴェルレーヌも名声を博しながらも悲惨な死に方をする。

自分の才能に世界は跪いて当然と確信していた自信家のランボーとあくまでも優美で繊細な詩人ヴェルレーヌの二年間の共同生活はやはりうまく行かなかった。二人とも破天荒だからしようがなかった。以来ランボーは詩作を捨てて中近東アフリカの放浪を続け、象牙商人となり最後に書き残した言葉は「本日の収穫、象牙二本」。荷風の40年に渡る日記の最後の言葉が「祭日、陰」という簡単なものであったことを思い出させる。ヴェルレーヌもその後さんざんな日々を過ごし最後はパリの陋巷に窮死する。

こういうむちゃくちゃな人間が生きて活動できたというのも、やはり19世紀フランス社会の余裕なんでしょうね。現代は芸術家でさえ制度的(商業的)に社会にインテグレートされる時代だからスポンサー(パトロン)の枠を超えることはないように見える。現代日本の芸術のスポンサー(パトロン)は誰か。それは学生と家庭の主婦。お父さんたちはあまりに忙しい。文化が女子供化するわけ。

ご参考まで:両者の詩については荷風「珊瑚集」私註を。

(初出:2003.7.10)

Posted: Sun - July 10, 2005 at 07:27 AM           |  


©