11/17 Today スエズ運河開通(1869)……セーリングと民主主義の関係


フランス人レセップスによる10年に渡る大土木工事でスエズ運河が開通。これでヨーロッパとアジアの距離は飛躍的に短縮された。でも興味深いことに、もっともスピードを要求されたインドからヨーロッパへのお茶輸送の主役は、スエズ運河開通以降も、しばらくは喜望峰をまわる帆船だった。

当時の帆船(ティー・クリッパー)の帆走能力はすさまじく、すごいスピードが出た。風向きが安定しない紅海を完成度の低い蒸気船でちんたら走るよりは、インド洋の強風を利用して高性能帆船を豪快に飛ばす方が効率的だったのだ。毎年その年の新茶を誰が一番に持ってくるか国民全体が注目する中、帆船によるお茶輸送レースが行われた。もっともやがては蒸気船に主役を譲ることになり、悲劇の帆船「カティーサーク」伝説もこの時期に生まれる。

伝統の長さと重みが違うので日本のヨット界の技術水準はまだまだ低い。石原慎太郎がいくら頑張ってもしょせん都会者のお遊び。セーリングが生活の一部となっている連中には勝てない。アメリカズ・カップになかなか日本が勝てない理由だ。

散人の仮説だが、セーリングが盛んな国は必ず民主主義の国である。なぜなら、政府が国民生活を圧迫するような関税政策をとったとしても国民は自分のヨットで密輸をやる能力を持っているからだ。これはアメリカで銃保有が憲法で認められていると同じように大切な「自衛」の権利なのだ。国境を越えて物資と情報が大量に移動する。

778%という異常な関税で保護され、更にその関税を払っても簡単には買えない外国産のコメ。普通の民主主義の国では当然密輸が起こるのだが、日本のセーラーは順法精神に富むのかとても従順。慎太郎は何をしているのだ!

(ちなみに台湾では外洋ヨットは禁止。国民が勝手に大陸と交流しないようにするためだ。日本でマリーナがほとんど建設できないのは、漁業権に加えて、国民を日本列島に閉じこめようとする農業団体の陰謀か?)

カティーサークについては、このページが客観的↓

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(初出:2003.11.17

新訳が出た「シャーロックホームズ」を読んでいたら、「グロリア・スコット号事件」があった。囚人たちが反乱を起こす話しだが、あのグロリア・スコット号とは、クリッパー型の帆船より一つ前のものでバウの幅が広く速度が出ないので、高速クリッパーの出現でオーストラリアへの囚人輸送に使われるようになったと書いてあった。コナン・ドイルも帆船には詳しかったのだ。当時のイギリス人としては常識のたぐいだったんだろうね。やっぱり民主主義とセーリングは関係がある。

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Posted: Sat - November 17, 2007 at 06:04 PM           |


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