6/30 Today 参勤交代制が定められる (1635)


三代将軍徳川家光は、武家諸法度を改訂し諸大名に一年おきに江戸出府することを義務づけた。狙いは諸大名の謀反を防ぐと同時にその経済力を削ぐためであったとされる。ほぼ同じ頃、フランスではルイ14世が即位し(1643)同じようなことをやっている。ヴェルサイユ宮殿の諸封建領主を集め厳格な秩序の中に組み込んで彼等を宮廷貴族化したのだ。家光の狙いも本当はそこにあった。権威の制度化である。

封建時代に於ける領主は一国一城の主である。いくら将軍様が一番エライと知ってはいても日頃顔を合わせることがないと徐々にその権威を軽んじるようになる。彼等をどうやってコントロールするのか、これが最高権力者が一番頭を悩ましたことであった。幕府を開いた家康の時代はまだ実力と権威が生々しく人の記憶に残っていたが、三代目ともなると怪しいものとなってしまうのは避けられない。そこでどうしても権威を制度化する必要が出てくるのである。

フランスに於いてもルイ14世は同じ必要性に迫られていた。権力とはなんたるかに本能的な勘を持っていたルイ14世はヴェルサイユ宮殿を建築し、そこに地方の実力封建領主達を集め、細かく厳格な宮廷エティケットの中に彼等を閉じこめることで権威の制度化に成功した。江戸城内でも儀式がうるさかった(浅野内匠頭もそのルールを教えて貰えなかったことで吉良上野介に刃傷)。

現在の民間企業でも定期的に世界中から幹部社員を本社に招集し大会議を実施するところがある。多分に儀式的な性格が強いが、これもまた企業内秩序維持の一つの方法でもある。古今東西、人間の考えることはよく似ているのである。


(初出:2003.6.30)

組織がしっかりすることはよいこと。でもそれが同時に倫理の劣化を生むとの指摘は前からなされている。漱石然り、紀田順一郎然り:

未成熟の社会(紀田順一郎) : "企業その他の組織に従事することは、とくに日本のように相対的な良識感覚しかなく、過当競争下におかれているような社会では、成員は相当の確率でモラルに背馳するというリスクを背負うことになる。"

Posted: Sat - June 30, 2007 at 10:12 AM           |


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