1/6 Today 良寛忌
(1831)……これぞ自然体の生き方だった
きょう良寛さんが亡くなられた日(1831.1.6)。最後はお腹が下ってたいへんだったらしい(症状から直腸ガンだったと推定されるとのこと)。たいへん貧乏されて「清貧の人」というイメージですが、当時の人の暮らしはあんなもんだったと思う。でもすごいのは「究極のニヒリスト」とさえ言える「自然体」のライフスタイル。最後は老いらくの恋もした。
中野孝次の『風の良寛』を読んで妙に印象に残っているのが、良寛が文政十二年(1827)の大地震の時、地震で被害にあった人に対して送った手紙。曰く:しかし災難に逢時節には 災難に逢がよく候
死ぬ時節には 死ぬがよく候
是はこれ災難をのがるる妙法にて候 かしこ
良寛
何事にも無理して力まないのである。これぞ自然体。現代の社会生活においては、この考えは「省事」という考えにつながる。組織にはやたら忙しがる人間がいる。本人は大張り切りで、東や西に飛び回って仕事をしているつもりでも、結局は堂々巡りで、周りの人間にに余分の仕事を作り出しているに過ぎない場合が多い。おとなしくしていてくれた方がよほど全体の生産性は上がったのである。政治においても、道路族も農林族も、日本のためをと思って一生懸命頑張ってきたが、その結果みんなが不幸になった。何もやってくれなかった方がよかったのである。外務省の大御所、斉藤邦彦大使のモットーは「省事」であり、「仕事をしないのが一番よい外交官」といっておられたらしい。対米追従一辺倒のお考えには必ずしも同意できないが、この「省事」に関しては同感。話を良寛に戻して、良寛の老いらくの恋。70歳を過ぎていたのだから恐れ入る。こんな歌がある:天が下にみつる玉より黄金より春のはじめの君がおとづれ
相手は貞心尼という若い尼さん。「僧侶の身でなんとしたことを」という世間体なぞには気にも留めなかったのが、良寛さんのえらいところ。恋は人間の「自然体」なのです。引用は中野孝次『風の良寛』から。(初出:2004.1.6)
Posted: Sat
- January 6, 2007 at 06:22 AM
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