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レモンの日……智恵子が亡くなった日だから
日本記念日学会によれば今日は「レモンの日」だとのこと。昭和13年(1938)の今日、高村光太郎の妻智恵子が亡くなった。高村光太郎の詩「レモン哀歌」にちなみ、この日を「レモンの日」とすることが決められたとのことです。
「レモン哀歌」とはどんな詩かというと、次のような内容:
レモン哀歌〜高村光太郎「智恵子抄」より〜
そんなにも あなたはレモンを待ってゐた
悲しく 白く 明るい 死の床で
私の手から取った一つのレモンを
あなたの綺麗な歯ががりりとかんだ
トパアズ色の香気がたち
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱっとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ目がかすかに笑ふ
私の手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの喉に嵐はあるが
かふいふ命の瀬戸際に
智恵子は元の智恵子となり
生涯の愛を一瞬に傾けた
それからひととき
昔さんてんでしたような深呼吸を一つして
あなたの機関はそれなり止まった
あなたの青く澄んだ目がかすかに笑ふ
私の手を握るあなたの力の健康さよ
写真の前にさした桜の花影に
涼しく光るレモンを今日も置かふ
それにしてもこの時代の人のレモンに対する思い入れは尋常ではなかった。梶井基次郎の「檸檬」(この漢字は「レモン」と読む)ではレモンが爆弾と化して丸善を吹き飛ばす。遠い国から渡来する異国の果物で貴重品であったから不思議な力を持つように思われたのだろう。暑い乾燥地帯でしかよく育たないので日本での栽培は無理だった。国際貿易の発展でレモンはいまや日常的な食材となった。グローバリゼーションの恩恵である。レモンを無理やり日本の気候でつくることはやらないほうがいいのである。(初出:2003.10.5)
Posted: Fri - October 5, 2007 at 11:30 AM
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