10/9 Today シーボルト事件 (1828)……曲者プラントハンターだった?


文政11年の今日、帰国するシーボルトの船荷から国禁の伊能図が発見されて大問題となりました。連座して多数の洋学者が捕らえられ弾圧されます。

シーボルトは医学から地理・動植物の幅広い分野に精通した博物学者。現在、植物学者といえば、平和的なイメージですが、当時はなかなかのくせ者が多かった。当時の列強は世界各地にこのような博物学者を派遣し組織的に情報収集をしていたのです。イギリスではプラントハンターと呼ばれる冒険的植物学者が大英帝国の拡大に重要な役割を果たし(ゴムをアジアに持ち込むとか)、世界の植物のグローバリゼーションと多様化に大きく貢献しました。植物学は高度に戦略的な学問だった訳。プラントハンターについては白幡洋三郎『プラントハンター』(講談社)が詳しい。

シーボルトは日本のアジサイを欧米に紹介した人としても知られています。アジサイの学名をシーボルトが日本における彼の現地妻の名前から取ったことに牧野富太郎博士は激怒していますが、散人は別にかまわないと思う。参照「にわか隠居の庭仕事(アジサイ)」

最近、日本伝統の植物生態系を守るためと称して外来植物の持ち込みを規制する動きがあると聞きますが、外来種のおかげで現在の豊かな生態系が形成されたことも忘れてはいけませんぞ。

プラントハンター―ヨーロッパの植物熱と日本
白幡 洋三郎


Amazonで詳しく見る4062580063

(初出:2003.10.9)

Posted: Mon - October 9, 2006 at 07:20 AM           |


©